満室なのに儲からない?「デッドクロス」の恐怖
「アパートは常に満室!家賃は毎月しっかり入ってくる!」
大家さんにとって、これほど嬉しいことはありませんよね。
しかし……
「あれ? 満室なのに、手元に残るお金(キャッシュフロー)が毎年減っている気がする……」
「最悪、通帳の残高がマイナスになりそう!」
こんな、まるで怪談のようなホラー体験に陥る大家さんが実は少なくありません。
家賃収入は減っていないのに、なぜ手取りが減ってしまうのでしょうか?
【1:犯人の正体は「デッドクロス」!】
この恐ろしい現象の正体、不動産業界では**「デッドクロス」**と呼んでいます。
株の用語で聞いたことがあるかもしれませんが、不動産投資におけるデッドクロスは全く別物です。ズバリ言うと、
「ローンの『元金返済額』が、『減価償却費』を上回ってしまった状態」**のことです。
【2:なぜデッドクロスは起きるの?】
少し専門的になりますが、分かりやすく解説します。
不動産投資でローンを組むと、多くの方が「元利均等返済」を選びます。これは毎月の返済額が一定で計画が立てやすい反面、「最初は利息の割合が多く、年数が経つにつれて元金の割合が増えていく」という特徴があります。
一方で「減価償却費(経費にできる金額)」は、一定期間が過ぎるとガクッと下がったり、最終的にはゼロになったりします(木造アパートの場合は法定耐用年数22年を過ぎるとゼロになります)。
つまり、「経費にできないローンの元金返済」が増えていき、「経費にできる減価償却費」が減っていく。この2つの線が交差(クロス)するポイントが「デッドクロス」なのです。
【3:恐怖!利益は出ているのに「黒字倒産」の危機】
デッドクロスを迎えるとどうなるか。
帳簿上の「経費」が減るため、税務上は「利益がたくさん出ている」とみなされます。
結果として、「家賃収入は変わらないのに、納める税金だけが跳ね上がる」ことになります。
税金はキャッシュで払わなければいけないため、手元の資金がどんどん目減りしていく……。最悪の場合、税引き後のキャッシュフローがマイナスになり、利益は出ているのに現金が枯渇する「黒字倒産」という事態になりかねません。
【4:プロが教える!デッドクロス撃退法 2選】
「そんなの怖すぎる!」と思った方、ご安心ください。
デッドクロスは突然やってくる天災ではなく、事前に予測できる現象です。対策は主に2つあります。
1. 売却して資産を組み替える
デッドクロスのタイミングを見計らって物件を売却し、新たな物件に買い替える方法です。これにより、借入と減価償却のバランスがリセットされます。
2. 新たに「減価償却できる物件」を買い増しする
今の物件を手放したくない場合、新たに収益物件を購入して減価償却費を追加計上します。「2棟トータル」で見て、再び「減価償却費>元金返済額」の状態を作り出すという、投資規模を拡大するポジティブな解決策です。
【恐れず「シミュレーション」で備えよう!】
デッドクロスは、仕組みを理解し、事前に「いつ頃やってくるのか」をシミュレーションしておけば、過剰に恐れる必要はありません。
「自分の物件はいつデッドクロスを迎えるの?」
「今のうちにどんな対策をしておくべき?」
少しでも不安を感じた方は、お気軽に私までご相談ください。長期的な視点で、あなたの賃貸経営をしっかりサポートいたします!

