リノベ済みマンションが売れ残る理由 買主ニーズのズレと古い配管リスク

リノベ済みマンション=安心、お得なの?


 


「リノベーション済み」「フルリフォーム完成」と書かれた中古マンションはポータルサイトで非常に多く見かけるようになりました。新築が高騰する今、綺麗で即入居できる物件はとても魅力的に映ります。


しかし現場ではリノベ済なのに長期間売れ残っている物件が少なくありません。また、見た目は新築同様でも、床下の配管が古いまま放置され、購入後に漏水をおこしてしまうケースも存在します。この記事では以下の点を不動産エージェントの実体験を交えて解説します。


●なぜリノベ済マンションが多く出回っているのか


●なぜ売れ残るのか(買主ニーズとのズレ)


●最も注意すべき「古い配管」のリスク


●業者買取にすると一般売却より価格が下がる理由とは


●購入、売却時に確認すべきポイント


結論から言いますと、リノベーション済み物件は配管の更新状況と価格の妥当性を必ずチェックすることが重要です。


 


なぜリノベ済マンションが増えているのか


主な理由は2つあります。


【買取再販業者の増加】不動産業者が古めのマンションを安く買い取り、リノベーションを施して利益を載せて販売するビジネスモデルが定着しています。裏を言えば仲介手数料も倍額、リフォーム代も取れる旨味が多いビジネスです。


【売主様の綺麗にすれば売れるという思い込み】古いままだと売れないのではと考え、売り出し前に200万~400万円程度かけてリフォームするケース。仲介業者でも必ずリフォームをすすめるところは昔からあります。



リノベ済マンションが売れ残る理由2つ


【価格が高くなりすぎている】リフォーム費用+業者の利益、経費が上乗せされるため、周辺の中古相場より一回り高くなります。「築年数の割に高い」「管理費修繕積立金と合わせた住宅ローンの支払いがかさむ」と判断され、検討から外れることが少なくありません。


【買主様の自分でリノベーションしたい!ニーズとのズレ】近年の購入層、特に30~40代のこだわりを持つ層は「自分で間取りや内装を選んでカスタマイズしたい」という意向が強いです。業者が選んだクロスや設備のグレードが好みに合わない場合「どうせやり直すなら解体費用が無駄になってしまうので現状渡しの物件がいい」と敬遠されます。結果として良かれと思って実施したリノベがかえって売れにくくする要因となってしまうのです。



最も危険な「古い配管」の隠れたリスク


リノベ済み物件で最も注意すべきは、表面だけ綺麗にして床下の配管が古いままのケースです。クロスやキッチンが新品でも、給水管、給湯管、排水管が地区30~40年当時のままだと購入後に漏水事故が起きる可能性があります。


実体験として、上階からの漏水を2度経験しました


私自身、過去にマンションで上階からの漏水被害を2度も経験しています。それぞれ別のマンションですが、原因はどちらも「上階の老朽化した給湯管(銅管)」でした。昭和から平成初期のマンションでは給湯管に銅管が多く使われています。銅管は長年の使用によりピンホール(小さな穴)が開きやすくじわじわと漏水が始まります。


上階の住人は床下なので気づかないうち、階下の天井から突然水がおちてきます。それによって天井の解体、復旧工事や損害対応で時間的にも大きな負担が発生しました。費用面では上階やマンションがかけている保険で対応してもらえましたが、やりとりの煩雑さや心理的なストレスは大きかったです。


内装をどれだけ綺麗にしていても専有部分の配管が更新されているか、マンション全体の漏水被害の状況を確認しておかないとこうしたリスクは避けられません。被害を受けるのも大変ですが、自分が被害を及ぼす立場になるともっと大変になります。


 


業者買取にすると価格が下がる理由は?


売主様から「業者さんに買い取ってもらったほうが早くて楽では?」と相談されることがあります。もちろん業者買取(不動産会社による買取)は即現金化できるメリットがあります。一方で一般の個人買主に売る場合と比べると価格が下がるのが一般的です。業者が再販するための利益やリフォーム費用、リスクを織り込むためです。目安として業者買取価格は市場相場の6~7割程度になるケースが多く、物件の状態によっては6割前後、またはそれ以下になることもあります。「早く売りたい、手間をかけたくない」場合にはとても有効ですが、現状のまま一般市場で売却するほうが有利になることがほとんどです。


 


 


後悔しないためのチェックポイント


リノベーション済み、築古マンションを検討する際には以下を必ず確認してください。


【買主様が確認すべきこと】


●専有部の給水、給湯、排水管まで更新されているか(表装だけのリフォームか、配管交換を含むフルリノベーションか)


●配管交換の時期、使用部材がわかる資料や写真、なければ確認できる方法があるかどうか


●管理組合による共用部配管の更新があったかどうか、定期的な配管洗浄の履歴と今後の大規模修繕計画の内容、組合の総会議事録で重要な点があるか確認


 


【売主様が検討すべきこと】


●売り出し前に高額なリフォームをする必要があるか、業者がすすめるリフォームをうのみにしていないか。


●現況のまま売却したほうが、結果的に高く早く売れる可能性をさぐってみる。


●業者買取と一般売却の価格差を比較してみたかどうか。


 


●●よくいただく質問●●


Q.  リノベ済マンションは避けたほうが良いですか?


すべてが悪いわけではありません。築古マンションの場合なら配管まできちんと更新されて価格が相場と乖離していない物件であれば問題ありません。ただし見た目の綺麗さだけで判断せず、管理や配管状況を必ず確認しておくことが必要です。


Q.  配管が更新されているか、どう調べればいいですか?


売主様や仲介業者に専有部分の配管交換の履歴があるかどうかを確認し、可能であれば解体時の写真や図面などビフォーアフターがあればなお良しです。管理組合の修繕履歴も重要です(他の住戸で漏水があったかなどの情報は議事録で確認できることもあります)


Q.  業者買取と一般売却、どちらがいいですか?


早く確実に、売却後のクレームを一切受けたくない場合は業者買取。できるだけ高く売りたい場合は一般売却(現況渡し)が基本です。価格差を具体的に比較して判断することをおすすめします。


 


 


売主様は「無理なリフォームをせず現況で売る」選択肢を、買主様は「見えない配管までチェックする」視点を持つことが公開しない売買につながります。


マンションのリノベーションや売却方法(一般売却、業者買取)でお悩みのかたはお気軽にご相談ください。見た目のメリットだけでなく隠れたリスクまで正直にお伝えします。


 


 


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藤原 裕子 の記事

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