妻による、我が身体のマダニ検査





最近、体力づくりのために朝の習慣を始めました。


せっかく田舎の姫路に住んでいるのですから、家の裏山を活用しない手はありません。毎朝1時間ほどかけて、獣道あり、岩場ありのなかなかワイルドな山道を上り下りしています。


最初はゆっくり歩くだけで息が上がっていましたが、最近では軽く走りながら登れるようになりました。その成果でしょうか。久しぶりに会った友人から「少し痩せたね」と言われ、すっかり気を良くしています。


しかし、この季節です。全力で山を駆け回れば、帰宅する頃には汗びっしょり。先日も山から戻り、「さあ風呂だ」と服を脱ぎ捨て、妻の前を堂々と通過しようとしました。


その瞬間でした。


後ろから、


「ギャーーーッ!」


という素っ頓狂な叫び声。


私は思いました。


「今さら私の裸を見て、そこまで驚くこともないだろう……」


ところが妻は震える声で、


「ダニ! ダニ! ダニがいる!!」


と叫ぶではありませんか。


見ると私のふくらはぎに、全長1センチほどに膨れ上がった真っ黒な物体がしがみついています。


妻がそれを勢いよく引きはがした瞬間、


「痛っ!」


思わず声が出ました。本当に痛かったのです。


虫に詳しい妻によると、それはマダニとのこと。


もともとは3ミリほどの小さな生き物ですが、人や動物に取りつくと頭を皮膚に突っ込み、せっせと血を吸って見る見る大きくなるそうです。しかも厄介なことに、風呂に入ったくらいでは取れません。つぶそうとしてもなかなか死なず、まさに”不死身の戦士”です。


どうやら私は毎朝の山登りで、知らぬ間にマダニの豪華朝食会場になっていたようです。


そんなわけで現在、我が家では新しいルーティンができました。


山から帰る。 汗を流す。 その前に妻の前で全裸になる。


そして厳しい目による「マダニ検査」を受ける。


健康のために始めた山登りでしたが、今では体力増進よりも「本日の寄生虫ゼロ」を確認する方が重要なミッションになっています。


痩せたのは確かにうれしいですが、私の血を栄養源にして太るのは私だけにしてほしいものです。



土田 剛司 の記事

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