ボウリング場の不動産鑑定



ボウリング場の鑑定評価



ゴー、ゴロゴロ、カーン、ストラーイク!

ストライク時の爽快感に、シニアの方の中には、若い時分にボウリングにハマッた方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回、取引先からの依頼で知り合いのボウリング場を鑑定評価してくれないかとのお話がありました。

ボウリング場の鑑定評価に関する本や情報は見当たりませんので、少々お話ししたいと思います。


パチンコ店、ガソリンスタンド、ホテル、フィットネスクラブ等と同じくボウリング場の価格も相場というものが見出しにくく、いざ、価格を求めるとなると、困難な不動産といえます。

ボウリング場の歴史をふりかえりますと、日本初のボウリング場が1861年に長崎で作られ、その後昭和40年代には空前のボウリングブームが起こりました。全国各地でボウリング場の建設が進み、その数は合計3700ヵ所にも上りましたが、現在は700ヵ所にまで減少しています。


さて、ボウリング場の価格はどうやって求めるのか。

不動産鑑定の方法としては、原価法、収益還元法、取引事例比較法という方法があります。

ボウリング場の取引事例は見あたりませんので、原価法、収益還元法を使いました。


原価法は、通常の土地建物価格を求める場合に利用する方法です。

簡単に言うと、開発事業者が対象土地を購入、対象不動産と同程度の建物を建築するとまずいくらかかるか。そこから経年等に応じた減価(主に劣化箇所の改修費用等)を行って、対象不動産の価格を求めます。

ボウリング場につきましては、ボウリング用機械、レーン、内装等特殊な設備(いわゆるインフィル)がありますので、最終的にはこれらの価格も加算されることになります。これらのインフィルについては建物本体の価格とは別に大概相場があるようです。

ボウリング場経営の専門業者さんに伺ったところ、インフィルは1レーンあたり550万円~800万円程度とのことでした。


話かわって、全国ボウリング場の売上高・利用者数は平成27年以降それ迄に比べ概ね30%程度のダウンで推移しています。

この理由としては、殆どのボウリング場が創設当時の建物・設備のまま事業をしている状況である中、法令により耐震対応施設への改修の義務付けが行われたことから、高額な改修費に堪え得ない施設の撤退が相次いだためと予測されます。

更にこの先、ボウリング設備機械の物理的な更新時期が迫っている等もあり、ボウリング業界全体が装置面で大きなコスト問題に直面することが予測されます。


さて、不動産鑑定評価手法のもう一つ、収益還元法を適用します。

ボウリング場のような事業用物件の価格を求める場合においては収益還元法が重要な役割を果たします。収益還元法はその不動産から期待される純収益を求め、それを期待する利回り(還元利回り)で除して求めます。

一般に、ボウリング場の適正賃料は上で書いたように業況が悪いため、普通の店舗水準より大きく下がるようです。

業界専門家にきくと、10年程前までは1レーンあたり10万円、最近では5~7万円程度が相場であると教えてくれました。

1レーンが約25坪とすると、坪あたり4000円以下、㎡あたり1200円以下ということとなり、住宅並み位で普通の店舗に比較すると相当安くなります。


以上のような二つの方法で求めた価格を関連づけてボウリング場の価格を求めました。

最近は、一部の名門といわれるボウリング場や新興の全国的展開を図っているボウリング場以外、総じてボウリング場の経営は青息吐息の状況にあります。

娯楽の多様化やレジャー消費の低迷によって、現在はボウリング施設だけの機能で収益を得るのはもはや困難な状況となっており、カラオケ、ゲームセンター、ビリヤード等のサービスと併せた複合アミューズメント施設として営業するスタイルが中心となっています。

日本ボウリング場協会は、ボウリング業界の生き残り策としてジュニア層の開拓・育成等に取組んでいますが、中小ボウリング場の売上半数がボウラー人口の0.5%程度といわれる常連顧客に頼っており、新規顧客の開拓が業績の安定回復への主要課題となっています。


最近テレビで女子プロボウラーの番組を小学生の息子と観ることがありますが、選手のルックスも高く、白熱したプレーにハラハラドキドキしています。

片方でボウリング場業界の苦況を思うと、ちょっと暗い気持ちになります。

みなさんも、久しぶりにご家族でボウリングいかがですか?





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