【4大修羅場①】退場すらできなかった若き日
1992 バブル崩壊を「他人事」にした私たちの代償
本編は、22の人生ストーリーのダイジェスト版「4大修羅場」の1つ目です。
「バブルが崩壊したらしい」
1990年代初頭。
社会人になってまだ数年だった私は、ニュースや職場でそんな話を聞いていた。
株価が下がっている。
土地の価格が暴落している。
ゴルフ会員権が紙くずになった。
会社の接待費が削減された。
タクシーで帰れなくなった。
日本経済に、何か大きな異変が起きている。
それは分かっていた。
でも――
正直、私には関係なかった。
なぜなら、私は何も持っていなかったからである。
株も持っていない。
不動産も持っていない。
大きな借金もない。
だから資産価格が暴落しても、自分の生活が直接脅かされることはなかった。
当時の私は、それを「損をしなかった」と思っていたのである。
しかし、今の私は違う見方をしている。
私は損をしなかったのではない。
そもそも、市場に参加していなかった。
そして、その事実こそが、後の私の資産形成を大きく変えることになる。


