学生のうちにより多くの知識や経験を得ることが必要だと考えていたので、海外の大学に進学しようと決めていましたが、それも待てず高校から海外の学校に通うことに。実際、海外での生活をしてみて、現地の人たちの視野の広さには驚かされました。同級生との会話もビジネスの話や事業の話だったり、論文を書くために各国が抱える課題を話し合ったり……グローバルで高い視点での会話が求められました。この海外生活で得たものは非常に大きかったと思います。大学ではマネジメント専攻だったこともあり、いずれは独立するつもりだったので、帰国後、経営の理解が深められる総合コンサルティング企業のアクセンチュアへ新卒入社しました。当時のアクセンチュアは毎月100人くらい新卒が入ってくるような会社で、同期には4年制の大学卒や院卒はもちろん、ワーホリを経験した方や既婚の方など、バックグラウンドはさまざま。個性の強い仲間が多かったのですが、その中でも共通していたのはみんなプロ意識を持って取り組んでいたことです。厳しい世界でしたが、確実に成長できる場所でした。入社から1年半になるころ、親族が創業したメディカル・ケア・サービス㈱の全国展開に参画しないかとの誘いの話がありました。上場を目指す会社での実務は、独立するのに最短で成長できる最適の環境ではないかと考え、参画することに。主な事業は、認知症高齢者対応のグループホームの立ち上げや運営・管理。初めての分野だったので学びの毎日でした。さまざまな経験を積み、2006年に独立。同業のルミナス株式会社を創業しました。念願の独立でしたが、それは私にとって、現場で感じてきた疑問が、頭の中でさらに大きくなるきっかけともなりました。利用者のご家族が会社を退職して、親の介護に専念せざるを得ない状況を目の当たりにしたんです。育児や介護と両立するのに、週5日、定時の時間的拘束がある働き方では、多くの人が働きたくても働けない。この問題をクリアすることはできないか、ずっと頭にありました。2015年からは現在の会社である株式会社KACHIAL(旧株式会社ハウジング恒産)の取締役副社長を兼務することに。不動産業でインバウンド事業のスタートアップ、推進を行っていました。ここから本格的に、起業家としてさまざまなビジネスへと取り組み始めたんです。中でも、以前から頭にあった“日本の働き方”への疑問から、個人の自立・独立をサポートするしくみの提供に力を入れてきました。日本ではまだまだ独立には大きな覚悟が必要です。それでも、雇用されるのではなく自分のビジネスを持ち、自分らしく生きることの楽しさや生きがいを伝えていきたいと思っていました。そんな中、『RE/MAX』という不動産フランチャイズの新しい働き方に出会うことになるのです。2017年KACHIALの代表に就任した頃、いろいろな取り組みの中で、アメリカの不動産事情を学ぶための研修会に参加したんです。これが『RE/MAX』との出会いとなりました。参加者の中のひとりに、RE/MAXの女性エージェントの方がいらっしゃったんです。名刺交換をしたときの印象がとても良くて──とにかく前向きで、自分の仕事に誇りを持っていらっしゃいました。自立されているお姿がすばらしく輝いて見え、どんなお仕事をしているのだろうと、とても興味が沸いたんです。すぐにRE/MAXの本部の方をご紹介いただき、働く人がこんなに輝けるビジネスとはどんなしくみなのか、詳しくご説明いただきました。正直に言って、衝撃的でした。RE/MAXのビジネスモデルは日本の働き方を変える画期的なもので、まさに私が理想とするしくみだったんです。さすが不動産ビジネス最先端である、アメリカ発祥のフランチャイズだなと思いました。自分がビジネスをする中で長い間モヤモヤしていたものがこれで解決できる、加盟しよう。そう決断するまでに時間はかかりませんでした。RE/MAXのエージェントは社員ではないので、働く時間も場所も自由。報酬においても自身のパフォーマンスが最大限還元されるしくみなので、軌道に乗れば社員以上の収入を得ることも可能。しかも、個人事業主でありながら、RE/MAXには常にまわりに協力し合える仲間もいる。モノとココロの両面からの充実を得られんですよね。2019年9月に「RE/MAX Partners」がオープン。私の今の喜びは、エージェントの方々がこの新たなステージで1から進めた仕事の「明日契約なんです」って話を聞いたときです。もう、自分のことのように本当に嬉しいですね。しかも、彼らは「自分のビジネス」をすることで確実に自身の世界を広げている──それを感じることができるのも嬉しかったです。エージェントは通常、外部からの新規募集となりますが、弊社では、グループ内の既存事業で成長した社員の活躍の場としてRE/MAXへの転籍も勧めています。RE/MAX Partnersでは、10,000件ほどある管理物件のお客様から発生した案件をエージェントに共有できます。一定の信用をすでに得ているお客様ですので、クロージングしやすいという利点があるんです。また、その逆も。取引した不動産が投資目的の場合、グループの管理会社がバックアップすることでご案内もよりスムーズになり、最後まで責任を持てるフォローができます。オフィスが提供できるものは惜しみなく提供し、エージェントが最大限の力を発揮できる環境を整える。この付加価値を強みにして、より多くのエージェントの方々の笑顔を見ることが私のやりがいであり、これからの楽しみです。そして、RE/MAXの提供する働き方を、日本でもっとたくさんの人に知ってもらえるよう、今後も活動していきます。