“私らしい働き方”を探した20代アメリカで生まれ育った私は、中学生のときに日本へ引っ越し、神戸のインターナショナルスクールに通いました。クラスメイトのほとんどが外国人で、日本語とは無縁の環境。日本語を覚えたのは、高校を卒業した後でした。治安が良く、穏やかな日本の空気感が好きで、そのまま日本の大学に進学。卒業後は、幼稚園の先生としてインターナショナルスクールで働きました。実は、幼い頃から母が経営する幼稚園の姿を見て育ち、自分もいつか同じように子どもと関わる仕事がしたいと夢見ていたのです。1年働いた頃、もっと自由に、もっと自分らしく働いてみたいと思うようになり、24歳のときに貯めたお金で恋人と大人向けの英会話スクールを立ち上げました。経営という道も、母の影響で憧れていたことのひとつです。けれど、恋人との別れを機にスクールは彼に譲り、私は再びインターナショナルスクールに戻って先生として働き始めました。本当にやりたかったのは、子どもたちに英語を教えること。そして、いつか自分の幼稚園を作りたいという夢があったからです。そこでは6年間働いていましたが、30歳を目前にふと立ち止まり、自分の働き方を見直すようになりました。体力的に厳しさを感じ、このまま続けていくことへの迷いが生まれたのです。そのタイミングで転職を決め、高校で英語を教えるように。授業は楽しかったものの、生徒と関われるのは1日わずか2時間ほど。それ以外の時間は職員室で過ごすだけの日々に、物足りなさを感じていました。そんなとき、偶然目にしたRE/MAXのホームページ。今思うと、その一瞬の出会いが、次の私のステージを教えてくれたのかもしれません。迷って、回り道して、やっと見つけた“私らしく輝ける”場所私がRE/MAXに魅力を感じたのは、自分で働く時間を決められる自由なスタイル。もともと独立心が強く、英語を使って日本で働きたいという想いもあった私にとって、とても理想的な働き方でした。実はその少し前、29歳のときにマイホームを購入し、不動産用語がまったく理解できず苦労した経験をしていました。契約や手続きのたびに専門的な言葉が飛び交い、「誰かが英語で通訳してくれたらどんなに安心だろう」と思ったことを今でも覚えています。そのような体験からも興味をもちましたが、RE/MAXは成果報酬型で毎月の費用もかかるため、不安から一度は加盟を断念しました。ただ、夫に相談すると「やってみたら?サポートするよ」と優しく背中を押してくれ、思い切って挑戦することに。当時所属したオフィスは賃貸に強く、SNSを活用しながら賃貸仲介を中心にエージェント活動を始めました。InstagramやTikTokを使っての集客は、新鮮で楽しくやりがいもありましたが、契約更新のタイミングで妊娠が発覚。育児と仕事の両立を考えた末、1年の契約を終えたところで退職することにしました。それから1年後、RE/MAX L-Styleのオーナー大西さんから「戻ってこない?」と声をかけていただく機会がありました。そのときは別の仕事をしていたので最初はお断りしましたが、RE/MAXの雰囲気や仲間が忘れられず、心の中ではずっと迷っていました。半年ほど気持ちが揺れていた中、夫との旅行中に、「RE/MAX、断っちゃったけど…やっぱり戻りたいな」と思いを打ち明けると、夫は笑って、「Lily、RE/MAXにいたときすごく幸せそうだったよ。戻ったほうがいいよ!」と言ってくれたんです。逆に「なんであんなに好きだったのに断ったの?」と驚かれたほど。実は前のオフィスを退職する直前、大西さんに「家庭が落ち着いたらまた戻ってきてほしいな。1年後にまた声をかけるよ」と言われたことがありました。ご本人は覚えていなかったようですが(笑)、その言葉はずっと私の中に残っていたのです。夫の優しい後押しと、大西さんとの再会。そしてRE/MAXという場所への愛着もあって、私は再びRE/MAX L-Styleという新しいステージで、エージェントとして活動することを決意します。再挑戦への覚悟、そして確かな一歩「戻るなら、絶対に中途半端な気持ちじゃダメ」それが、私がRE/MAXに再挑戦する前に自分自身に誓った言葉でした。RE/MAX L-Styleの魅力は、オーナーの大西さんがエージェント一人ひとりをきちんと見てくれていること。費用面でもポータルサイトの一部を負担してくれるなど、成功するための環境がしっかりと整えられていて、サポートの厚さを日々感じています。以前、賃貸の経験は十分に積んだので、再スタートでは売買だけに集中したいと伝え、加盟してからは売買一本。また自分の強みを活かして、外国人のお客様を中心に担当しています。大西さんもその想いを尊重してくれました。またオフィスにはいつも誰かしらがいて、わからないことがあればすぐに相談できる。そんな環境にも、私はとても助けられています。エージェントとして再スタートしてすぐ、外国人のお客様から買い付けの申込みが2件入りました。けれど、どちらもキャンセルに…。理由は、私の説明不足。「買い付けは本気で買いたいときに出すもの」という大切な前提を伝えていなかったのです。賃貸経験はあっても、売買はまったくの別世界。私は一から学び直す覚悟で勉強に励みました。初めての契約が決まったのは、再スタートから5ヶ月後。その間、内覧にはたくさん行ったし、動き続けてはいたけれど、どこかで自分に自信が持てず、言葉にも曖昧さが残っていたように思います。でも、初めての契約を決めたことで、少しずつ流れが変わりました。その後案内した3組のお客様は、全員から買い付けをいただくことができました。自信がついたことで、伝える言葉にも、向き合う姿勢にも変化があったのだと思います。この5ヶ月間は、私にとって本当に濃い時間でした。いくら言葉で教わっても、実際に経験しないとわからないことがある。すべてがケースバイケースで、正解もマニュアルもない世界。だからこそ、自分の肌で感じ、身につけた“経験”が、自分の中でしっかりと積み重なっていったのです。そして何より、RE/MAXの集まりが私にとって大切なエネルギー源です。他のエージェントさんたちと話をすると、「私ももっと頑張ろう!」と前向きな気持ちになれる。だからこそ、勉強会や交流会には積極的に参加しています。今も、すべてが完璧なわけじゃありません。試行錯誤の毎日。でもRE/MAXで、そしてL-Styleで、私はようやく“自分らしく働く”ということが実現できています。小さな応援団長がくれた、大きな誇り私は、「こうなりたい」とか「これを達成したい」といった明確なゴールを決めていません。誰かと比べることより、自分が満足していて家族と幸せに過ごせることが何より大切だと思うからです。そんな私にある日、小学3年生の息子がこんなことを言いました。「僕も大きくなったら、ママと同じエージェントの仕事がしたい!」「どうして?」と理由を尋ねると、「だって、ママは家を売ってるでしょ?人は家がないと幸せになれないから、ママは“幸せ”を売ってるんだね」って。その言葉を聞いた瞬間、胸が熱くなりました。私が日々向き合っている仕事が、息子の目には“幸せを届ける仕事”として映っていたことが、何よりも嬉しかったんです。今でも振り返ると、初めてマイホームを購入した日のことが思い出されます。不動産の説明を受けてもほとんど理解できず、分かったふりをしてただうなずくしことしかできなかった。あのとき「英語が話せる営業マンがいればいいのに」と本気で思った私は、今、言葉の壁を越えてお客様をサポートする不動産エージェントとして、かつての私と同じような不安を抱える人たちの力になれているのかもしれません。特別な目標はありませんが、これまでのどんな仕事よりも、不動産エージェントという仕事が一番しっくりきています。「ママみたいになりたい」――息子のその言葉を胸に、これからも“幸せを届ける仕事”に誇りを持って、私らしく歩み続けたいと思います。