8年程前に発達に凸凹のあるお子さんとそのご家族を支援するNPO法人をママ友と立ち上げ、副理事長として運営を行っていました。

悩めるママさん達が気楽に話せるカフェの定期開催や、臨床心理士さんによる講演会、週末や夏休みに参加できる親子イベント、小学生を対象にした学習サポートなどを実施。

これらの活動は、私自身が二人の息子たちの子育てに悩んだことがきっかけでした。

 

長男が幼稚園年中さんの時、園から指摘されて発達に凸凹があることがわかったんです。

それまでも、動きの激しい子だなと感じることもあったのですが、検査を受けて初めてADHDであることが分かり、読み書きが苦手な学習障害もあることが判明…。

二つ違いの次男も同じような特性を持っていました。

ふたりとも融通が利かず感情のコントロールがうまくできないので、お友達とぶつかることも良くあり、トラブルの連絡が日常茶飯事。夕方にかかってくる電話が怖い時期もありました。

学校に通えない、勉強が苦手…、『高校に行って大学に進学するのが普通』と思っていた自分の価値観を崩すのも、当時は大変で、、ここから外れてしまう彼等が心配でしたし、不安でしょうがなかったんです。

ま~本当に苦行でしたね(笑)。人生で一番苦しかったと思います。

 

 

NPO法人はそんな子育ての最中で始めたのですが、私の価値観や考え方にも影響を与えた貴重な経験でした。

特に、声をかけてくれた理事長となるママ友の影響は大きかったです。

彼女も発達に凸凹があるお子さんをもつお母さん。同じ悩みを持つご家庭のためにとにかく行動にうつす彼女を尊敬していましたし、そのバイタリティーはとても刺激的でした。

この団体は、もともと幼稚園にあった悩めるママ向けのコミュニティを、一時的なものではなく、もっと地域に根付いた継続的に利用できる場とするために立ち上げたのですが、彼女の「やるよ！」の一言で、難しいと思われるようなことも次々に実現していきました。

彼女はもともと中学校の先生をしていた経緯もあり、教育委員会と協力して新しい仕組みを作ったり、先生との面談に同席したり、小学校のサポート体制を整えたことも…。NPO法人の立ち上げも自分たちですべてやり、専業主婦でも力を合わせれば、こんなことができるのかと、驚きと感動がありました。

運営側も利用者さんも、皆で成長できたこの経験は、私の人生の糧となっています。

また、そんな中で同じ境遇であった彼女が発した忘れられない言葉があるんです。

発達に凸凹のある子どもとの出会いで『私の人生は豊かになった』と。

当時の私にはまだ理解ができなかったのですが、今となっては深く心に入ってきます。

長男20歳、次男17歳となり、振り返ってみればこの子育ては私にとって大きな転機でしたし、私の「ねばならない」という価値観を大きく崩し視野を広げ人生を豊かにしてくれたのは彼等ですから。

 

RE/MAXの不動産エージェントになって1年程たちますが、まさに色々な経験が重ねって辿り着いた運命的な仕事だと思っています。

大学時代に建築学を専攻していたこともあって、宅建士の資格は卒業の翌年に取得。

ただ、何十年と温存されていました（笑）。

そして、2年程前にNPO法人の運営から離れ少し自分の時間ができ、改めて今後の生き方を考えたときに、やはり資格もあるし住宅周りのお仕事がしたいと思うようになり…。

というのも、息子たちが落ち着かず、藁をもすがる思いで半年待ちで通った病院では、先生に拒絶反応を示して全く良い結果が得られなかったのに、気持ちの良い空間でヒーリングを受けるとすっと落ち着くことがあったんです。ああ、人の感情や周りの環境、エネルギーに敏感なんだな、と気付きました。

そんななか、友人の紹介で地球のエネルギー(重力や磁力)を利用して人間の本来持っている生きる力をより引き出す、という考え方を学ぶ機会を得ました。風水に少し似ているのかもしれないですが、キッチンはどの向きがいいか、トイレ等の水回りはどの位置にあったらいいか、勉強をするには机はどの向きが良いのか、なども意識すると住まう人本来のパワーをより引き出せるとのことで…。

息子たちはもう大きくなってしまっていて「もっと早く知りたかった！」と思いました。彼らの部屋を整えてあげていたらもう少し彼らも楽だったのではないかと。ただ、お仏壇の位置を変えたり、不要なものを処分したりしたことで、私の行動力が変わったのを感じています。子ども達も良い出会いがあったり、前向きになったりしています。

こんな経緯があったので、資格や経験を生かし、居心地の良いお住まいを自分らしくご提案したいと思うようになったんです。

リマックスの不動産エージェントならそれができるのではと思い、加盟を決めました。

お仕事中は、NPO法人時代にたくさんのママさんのお悩みを聞いてきたことが、お客様のご要望をしっかり聞くことに役立っています。

皆でシェアして成長していくリマックス文化もこれまでの経験と重なりましたね。

ただ今までと大きく違うことは、自分主体で動いていかなければならないこと。

この働き方で、私はとても成長したと思っています。

これまでは、自分を前面に出すことが苦手で、選択を人に頼ることが多かったんです。

常に答えを外で見つけるので芯がなく、ずっと探し物をしている感じでした。

でも不動産エージェントはそれではダメで、自分を信じて自分を売っていくことも仕事の一つ。仕事をしていく上で、お客様の笑顔やありがとうの言葉が自分の自信に少しずつ繋がって、自分自身の芯のある選択ができるようになりました。

なりたかった自分に近づいていると感じています。

実はこのStoryも、以前の私だったら断っていたかな(笑)。

 

そして今、二つ計画していることがあります。

一つは、2級建築士の資格の取得。

物件を検索していると、お客様にお勧めしたい間取りや立地に出会うことが少ないことに気付き、、であれば自分でプランを立て、よりエネルギーが上がるような住宅を建築からご提案すればいいんだと。

お客様の要望に沿うだけでなく、私からもプラスワンのご提案をし、それが実現できるようなエージェントになりたいと思っています。

 

もう一つは、空き家を活用したコミュニティ作り。

そこに来るとなんだか元気になれる場所として、不登校の子や近所のおじいちゃんおばあちゃんなど、幅広い世代の地域の方々が気軽に訪れ自由にゆるやかに交流し合える場を作りたいですね。

昔ながらの縦の繋がりで学校では学べないことが学べたり、どんな子でも自信がつけられるような場所がたくさんできればいいなと思っています。

 

こんな風に新しいことに挑戦しようと思えるのは、これまでの経験と現在の環境があるからこそですね。

大変なことも多かった子育てですが、その経験を良い形で残していこうと思います。

そしてそれにチャレンジできるのがリマックスの不動産エージェントという仕事で、自分らしく目標に向かえる毎日にワクワクしています。