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前編ではハザードマップの話をしました。ハザードマップで「浸水被害が起きそうな場所」はわかっても過去に「浸水被害が起きた場所」はわからない。しかし、実際に不動産を探している人にとっては「浸水被害が起きた場所」の方が大切ではないでしょうか?

大阪市では、ハザードマップとは別に浸水実績図が公開されています。
ハザードマップでは、川に近いところが浸水危険性が高い等の一定の傾向が掴めますが、等高線の描かれた地図を見るような感じです。なので、浸水可能性の高いエリアがあったとしても、それが広範囲にわたっていると「そうはいっても大丈夫なんだろうなぁ・・」「まさかこれだけ全てが水没することもないだろう・・」となんとなく安心してしまいがちです。ですが、浸水実績図はそうではありません。災害のリアルを(少なくとも筆者は)感じます。生々しい・・。

例えば大阪(梅田)が含まれる北区。平成26年度~令和3年度の期間で浸水実績なし。ですが、これだけで「北区は水害に強い」とは言えません。平成16年度~平成25年度のマップでは40個以上の小さな円で浸水実績のある場所がマークされています。まさにその場所で浸水したわけで、地図を頼りに現地に行くこともできます。さらに遡り平成元年度~平成15年度では11ヶ所しかありません。この傾向が他の区でも当てはまるかと言えばそうでもない。北区が0、43、11で平成16年度~平成25年度の浸水実績が圧倒的に多いのに対し天王寺区では2、13、60。最近10年はどちらも被害は少ないですが、それ以前は時期によって被害を受けたエリアの箇所が大きく異なります。ハザードマップよりも地域特性が掴みやすい。

東京都も区市町村水害データが公開されています。こちらは大阪市とは違いマップではなく表。いつどこ(丁目まで記載)でどのような浸水被害(床下、床上、半壊、全壊等)があったかが一覧表になっています。ざっと見た中では中央区が一番被害実績が少なく平成12年7月4日のみ。反対に多かったのは世田谷区。1ページ50行程ある表が全部で15ページ分。最後の記載は令和元年ですが、それ以前はほぼ毎年どこかで浸水が起きています。

仲介の際にはハザードマップの説明が義務付けられています。ですので説明するのは当たり前ですが、お客様が本当に望んでいる情報は「ハザードマップ」で示される「将来起きるかもしれない危険」よりも「過去に起きた被害」。

大きな河川が氾濫した場合の浸水エリアはかなり広範囲になります。当該エリアでの災害が近時にあり記憶に残っている場合(例えば京都で言えば嵐山周辺や福知山市内での洪水)は別として、そうでない場合はあまりに広いエリアを指されそこに対象となる不動産が含まれていても「まあ大丈夫だろう・・」となってしまいがちです。また、そのような災害は起きる確率が低い(実際にハザードマップでの説明で「1000年に一度発生する規模」などと書かれている)ので過度に気にすることはないという捉え方もあります。

それに対して、実際に起きた水害が発生した場所がわかれば、それが対象不動産のある場所であれば具体的にどう対処すれば良いのか?もしくは対処できないのか?がわかります。対象不動産の近くでも「この高低差なら問題ない」と考えられることもあるでしょうし、少し離れていても「もう少し雨が長引いていたらここも危なかった」と想像できる場合もあります。1000年に一度の大雨よりは想像しやすい。

また、ハザードマップを示すことが義務となっていますが、それを示すことと過去の浸水実績等を示すことは全く別の話。重要事項説明では過去に起きた自然災害等があれば当然説明する必要があります。売主が「知らない」といっているからといって告知書に「災害等の発生:無し(ヒアリング先:売主)」書くだけでは危うい。もし購入後に過去の浸水実績等がわかった場合はトラブルになります。役所調査でわかるようなレベルであればいくら売主が知らなかったといっても、仲介業者の調査漏れと判断されます。

重要事項説明書作成の際は、お客様の気持ちに立っての調査が必要です。

手間を惜しまず役所調査、周辺ヒアリング。

『天災は忘れた頃にやって来る』とは昔からよく言われる言葉。

物件調査はくれぐれも忘れることなく。災害も契約も、『備えあれば憂いなし』、です。

(参考リンク)
区市町村別水害データ(東京都建設局)
https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/jigyo/river/suishin/suigai_kiroku/shisa/shisa.html

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今月3日から日本列島は猛烈な大雨に襲われています。
今年は例年より3週間ほど早く6月中に梅雨が明けましたが(東北北部を除く)、体感では梅雨が明けてからの方が雨が多いような気がします。

この雨による被害は局地的なものではなく、国土交通省の発表によると8月5日16時までに、なんと9県にまたがり52の河川で氾濫が起きています。9県の内訳は青森県、秋田県、山形県、福島県、新潟県、石川県、岐阜県、福井県、滋賀県。東北地方全域から近畿地方に至るまでの広範囲な被害です。近畿地方に住む人は、滋賀県長浜市の河川氾濫の映像が印象に残っているのではないでしょうか。

河川氾濫や水害は毎年日本各地で起きています。
家屋の流失や死者行方不明者が発生するような災害も多くあります。ただ、人の記憶は曖昧なもので自分自身や知人友人などが直接被害に遭ったもの以外は、どうしても近年に起きた被害規模が大きいものが印象に残ります。平成26年の広島市の土砂災害、平成30年の西日本豪雨による岡山県倉敷市真備町の水害、令和2年の熊本県人吉市の球磨川氾濫。これらの災害はニュースで衝撃的な映像が繰り返し何度も流されていたので覚えている方は多いと思います。

一方、さまざまな場所で起きた過去の災害は、その多くが残念ながら忘れ去られていきます。
どこか遠くで起きた災害だけではありません。その地で起きた災害であっても、数十年も経つと記録では残っていても記憶には残っていないことも珍しくありません。小規模災害はもちろん、大規模災害であってもです。

筆者は京都に住んでいます。京都でも多くの水害が発生しています。2012年には宇治市で死者の出る豪雨、2013年には嵐山で渡月橋が損壊するほどの豪雨、2014年には福知山で市街地が冠水、とこれはネットで過去のニュース記事を見て書いており実際の記憶ではあったことは覚えていますがいつあったかは記憶していません。地元の記憶ですらこうなので、ましてや地元以外の災害はなかなか記憶に留まりにくいものです。

本メルマガの主題はあくまで不動産なので、ここでは「記憶を風化させてはいけない」といった趣旨の話は書くつもりはありません。気になるのは災害の記憶が風化し、災害に対して安全な場所とそうでない場所も忘れられていくということ。古くから住宅が建ち並ぶ旧市街地であれば、長くそこに住まい過去の災害を覚えている人も多いので、近所にヒアリングすれば簡単にわかりますが、マンションの多いエリアや人の入れ替わりが激しいエリアでは過去の災害を「みんな知らない」なんてこともあります。

そこで大切なのは過去の履歴を見ること。まずはハザードマップを確認する人が多いでしょう。大阪であれば淀川や大和川、京都であれば鴨川や桂川が氾濫した場合の浸水の深さ等が図示されています。ハザードマップを見るだけで「どのエリアが安全そう」「どのエリアがヤバそう」なのかがわかります。2020年8月から重要事項説明書で水害ハザードマップの説明が義務付けられており、その存在も広く知られることになりました。

ですが、ハザードマップは過去の災害を記載したものではありません。国土地理院のサイトにはこう書かれています。

“「ハザードマップ」とは、一般的に「自然災害による被害の軽減や防災対策に使用する目的で、被災想定区域や避難場所・避難経路などの防災関係施設の位置などを表示した地図」とされています。” (国土地理院WEBサイトより)

と言うわけで「川が氾濫したら浸水するであろう地域」はわかっても、「過去に浸水した場所がわかる」訳ではありません。しかしながら、実際に水害にあった場所、調べればある程度はわかります。

後編では大阪市と東京都を例に簡単に説明してみたいと思います。

(参考リンク)
災害に強い都道府県ランキング!日本で自然災害の少ない安全な県は?(住宅検索ハザードマップ)
https://address-hazardmap.com/todouhuken-saigai/
8月3日からの大雨による被害状況等について(第5報)(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/common/001494646.pdf

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前編では、廃校となった小学校を利用した神戸市内の施設の話から、地方や郊外だけで無く都心部でも少子化や人口減が進んでいる話をしました。
少子高齢化による危機は以前から話題となっていました。また人口減についても東京や大阪の都心部の人にとっては「それは地方・郊外の話」と考えられていました。潮目が変わったのは、2014年に日本創生会議が発表した「消滅可能性都市」に東京都豊島区が含まれていたことだと記憶します。「街がなくなる」などという事象は人里離れた山間部や離島、とたかを括ってしまっていたことがまさかの東京都で「消滅」する街が現れたのは大変ショッキングな出来事でした。

今後日本の人口は減少していきます。
それはそれで問題ですが、人口減少よりも先に現れるのが少子高齢社会です。
雑な言い方で恐縮ですが、生まれる人よりも亡くなる人の方が増えるから人口が減少します。その過程で子供と高齢者の比較でどんどん高齢者の比率が高まっていく。
それが少子高齢社会。

この少子高齢社会への移行は不動産業界にとってビジネスチャンスです。

人口減の街は危機感を感じていますが、人口が維持されている街はそれほど危機感がありません。しかしそんな街でも人口構成比はどんどん変化しており少子高齢化は進んでいます。人口が減ると空き家が増えるのは当たり前ですが、少子高齢が進むことでも空き家は増えます。ミスマッチが起きるからです。

夫婦+子供二人の子育て四人家族。かつて住宅購入層の主流だった家族形態です。
今、このような世帯が減っています。郊外ニュータウンのようなサラリーマンの父親と専業主婦の母親を想定したような街の不動産は需要が減って当然です。また、若年層が減っていることで学生寮や単身寮の需要が減っています。
しかし単身世帯が減っているかといえばそうではなく高齢者の単身世帯は増えています。

このミスマッチがビジネスチャンスとなっています。

新築供給においては、すでにそのチャンスは顕在化しています。
建物と住人のミスマッチを埋めるべく、新しく住宅が供給されていきます。

上記の例で言えば、かつてニュータウンでマイホームを購入した世帯に向け都心コンパクトマンションが、さらに高齢となり生活に他人の支えが必要となり始めた人のためにサービス付高齢者向け住宅が建設されます。

不動産エージェントのチャンスは、この後です。
新しい住宅が供給されれば人口が維持できている街においても、既存住宅の空き家は増えていきます。この空き家を利活用、具体的にいえばリフォーム、リノベーション、コンバージョン(用途変更)を伴う売買や賃貸する市場は、既に大きくなっていますが、今後さらに大きくなることは確実です。

例えばわかりやすいのは中古分譲マンション市場。
バブル期だった30年前、築30年(すなわち現在築60年)のマンションは全国にほとんど存在しませんでした。それが今、築30年を超えるマンションは山のようにあります。

これらのストックの多くは設備が老朽化・陳腐化しています。それを刷新するべく買取再販事業を行う大手事業者は多くあり、一大マーケットとなっています。

しかしミスマッチを解消すべき建物はまだまだ多く、中古分譲マンション市場はそのほんの一部。一戸建てやアパート、オフィス兼用の自社ビル等々、そのままでは利用が見込めないが工夫することで需要を見出せる「ミスマッチ不動産」は市場にいくらでも溢れています。
人口減により生じた空き家は、需要が減少しているため解決は難しい。よそのエリアから集客する必要があるからです。それに比べ少子高齢化で派生した空き家はミスマッチを解決すれば解決が見えます。

そのような「ミスマッチ不動産」に、オーナーと一緒になって考え、新しい命を吹き込む業務。これは「パッケージ物」として売り出される商品ではなく大手不動産会社には難しい。個別にエージェントが取り組むのに適した分野です。

廃校となった小学校校舎をリノベーションし地域の交流施設とするそこまで大きな案件でなくとも町の小さなビルや住宅のミスマッチを解消し需要を作り出す、そんな施設を手がけるエージェントが増えることを願っています。

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ネットで面白い記事を見ました。廃校となった小学校の活用事例の話です。

神戸市内の廃校となった小学校校舎をリノベーションした複合施設「NATURE STUDIO(ネイチャースタジオ)」が完成・オープンしました。地元の工務店と卒業生がタッグを組んで作った施設で、体育館がフードホールになり、そこでは給食室で作られたクラフトビールが味わえます。校庭の池で釣りができたり、理科室や図書館があった校舎に水族館ができたりと、子供はもちろん、大人も「小学校に対するノスタルジー」を存分に感じながら楽しむことができる施設です。

筆者はまだ現地を訪れていませんが、記事を読んでいるだけで、ワクワクします。

さて、この素敵なリノベーション施設。
その所在地は先にも書きました様に神戸市内なのですが、一体どんな場所かと思って見てみると、それが結構、驚きの場所でした。

施設は神戸市立湊山小学校の跡なのですが、JR三ノ宮駅から直線距離で3km程度しか離れていない都心部でした。不動産物件表示的にはJR線「神戸」駅徒歩27分、神戸市営地下鉄西神・山手線「大倉山」駅徒歩18分、神戸市バス「石井橋」停徒歩1分(三宮駅から21分)といった場所です。決して「駅近」ではありませんが不便・暮らしにくい場所ではありません。

廃校を活用した案件は珍しくはありません。

例えば大阪市内や京都市内の中心部の小学校などは、統廃合を繰り返し、使われなくなった小学校が地域のコミュニティスペースなどとして利用されています。
しかしこれは超都心部の商業地の話。かつて「ドーナツ化現象」と呼ばれ、都心部から郊外ニュータウンへと人が流れ都心部が空洞化、それを受けて小学校が余ったりしました。しかし、今は都心回帰となって久しく、大阪も京都も今では都心部の児童が増え新たな小学校の建設をしている場所もあります。首都圏についてもこの流れは同じです。

ですが、そのような都心商業地以外での廃校利用の事例は、山間部や離島などの過疎地、もしくは一気に人口爆発をしたニュータウンなどに偏っていました。それが今回は過疎地域でもニュータウンでもない、しかも神戸市という政令指定都市の住宅地であることが印象的です人口減社会は「郊外の過疎化」のフェーズは終わり「都市部の過疎化」へと移ったことを実感します。以前にテーマとしてあげたこともありますが「スポンジ化現象(*)」です。

(* 都市の大きさが変わらずに人口が減少、使われない空間が小さい穴があくように生じ、都市の密度が下がっていく現象を指します。)

もちろん個別要因での説明は可能です。

こちらの施設のすぐ近く、100m程度の場所に神戸市立の小学校があり、もともと「小学校過多」だったのかもしれません。

しかし今回のニュースのような事例は都市部でもどんどん増えていくでしょう。

人口の減少これからはどの様なエリアであっても空き家・廃屋が増えていきます。原因は人口減少だけではありません。少子化の影響も大きい。正しい解釈をすれば、小学校が無くなるのは人口が減ったからではなく小学生が減ったからに他ならない。

面白いリノベ施設ができましたという明るい記事の裏にある暗い現実。

不動産エージェントとしてはビジネスチャンスでもあります。さて何がでしょうか?

続きは後編でお話させていただきます。

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コロナ禍で住宅に対する志向が変わった人は多くいらっしゃいます

関東は郊外居住が注目を浴びましたが、関西では地理的な条件が違うため目立った動きはありません。そんな話を前編では紹介しました。
では今後どのようにトレンドは変化していくのか?何を意識していけば良いのか?

後編ではそんなことを考えてみたいと思います。

「都市部では感染リスクが高くなる」
これは確かなことだと言えます。新型コロナウイルスへの感染者数やその死亡者数そして人口比をみても大阪や東京が高い数値となっています。東北地方・中国地方等の都市圏から離れたエリアが広いところでは感染者数は少ない。
そこで都心部の狭くて密な環境よりも地支部近郊の自然環境の良い場所へ、という流れがという話になるわけですが、このような動きは過去にも起きています。

大正時代の大阪がそうでした。
当時大阪は紡績業を中心に経済が栄え、人口は東京を超え、「東洋のマンチェスター」と呼ばれる日本を代表する工業都市でした。ですが、急激な都市の発展を遂げたため人口増加に都市インフラが追いつかず、公害問題なども相俟って、住環境は悪化しました。
そこで始まったのが私鉄の沿線開発です。阪急神戸線、阪急宝塚線、阪神本線、南海本線等の山や海に近いエリアで住宅地開発が進みました。

経済的に裕福でかつ出勤時間の都合をつけることができる経営者層はこれらの住宅地に移り住みました。
一方、週休6日定時出社が必要だった工場労働者層は大阪市内もしくはその界隈の工場近くに住み続けました。

住環境の悪い市内中心部と住環境に優れる周辺郊外部という図式はその後、昭和50年代くらいまで続き、大阪市内を「住宅地」として捉える人は少なかった。
しかし今では大阪市内中心部は居住地として人気が高い。そして当時沿線開発されたエリアも、概ね「高級住宅地」としての評価を失っていません。

この工業化による住宅地評価劣化の流れ、今のコロナ禍での流れと大変似ています。
コロナ禍で問題となったのは、危険であるとはわかりながら現場を離れることができないエッセンシャルワーカーの方々であり、一方リモートワークが可能なインフラが揃っている大企業勤務者・IT関連企業勤務者は「ワーケーション」や「車で2時間の山中に拠点を移しました」なんてことを実現しました。

大正時代の工業化によるもの、昨今のコロナ禍によるもの、同じ「郊外復権」でも大きく違う条件があります。それは時間軸です。

大阪市内が住宅地としての評価を取り戻すのは、大気の汚染や汚濁した市中の川などの衛生面が改善されたバブル期以降。大正時代から50年以上かかりました。
しかしこのコロナ禍が社会に与える影響は新型コロナウィルスにより消えます。公害のように影響は長く残らず、50年も続くことはありません。続いてもせいぜいあと1~2年でしょう。
人口減であることも踏まえ都心は今後も人気は衰えず、コロナ禍で「再発見」されたエリアも、その評価は継続されるでしょう。

ただ、一点気をつけたいことがありませす。
「リモート〇〇」が不可逆な動きということです。事務所への出社がなくなるといった極端な話ではなく、リモートで済むミーティングや授業が今後全て「リアル」に戻ることはないという意味合いです。
そのために必要な住宅性能は「広さ」「遮音性」。これはファミリー物件については顕著です。都市部では2LDK/60平米/4人暮らしという家庭も多く見られます。そのような家庭で、お父さんがミーティング、息子・娘は授業がリモートを始めれば、互いの声が邪魔になるだけでなく、お母さんが部屋内でテレビの音を出すこともできず洗い物や洗濯も音が邪魔になりやしないかと気をつかう、などとストレスの溜まる生活になります。

土地は、都心人気は衰えず、郊外の良いエリアは再評価されます。
建物は、広さと遮音性が重視されます。今のところ、コロナ禍による不動産市場、とりわけ住宅市場への影響はこのように考えられます。
もちろんこれが正しいとは限らず、不動産市場には事務所・テナント等他のジャンルもあるのでもう少し事情は複雑です。

このようなことを考えお客様に個人の見解として話、お客様の意見とすり合わせ不動産選び(もしくは売却)を進めていく、そんなことができるのがエージェントの醍醐味。
査定をして売るだけでは面白みがありません。

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2月3日、不動産・住宅情報サイトのLIFULLから「首都圏版 2022年 LIFULL HOME’S 住みたい街ランキング」の結果が発表されました。
賃貸ユーザーは郊外志向が進み、購入ユーザーは都心と郊外ベッドタウンとの二極化が進んだとしています。

コロナ禍で「郊外居住が進む(進んだ)」といった報道を多く見受けますが、本当にそうなのでしょうか。

結論を言えば首都圏では一部「郊外居住」という選択肢を選ぶ人が増えましたが、それ以外のエリアではさほどそのような傾向は見られないというのが結論です。
これにはいくつか理由がありますが、以下では3点をあげて説明をしたいと思います。

まずはニュースのほとんどが首都圏の出来事を首都圏から発信しているということ。

確かにLIFULL HOME’Sの調査結果を見ると数年前は上位に来ることはなかった「本厚木」「柏」「西川口」といった郊外エリアが上位に見られます。郊外志向は高まっています。
そしてこれを見てマスコミは「郊外居住が進んでいる」といいます。そのときに、他のエリアで起こっているかどうかの検証なんてしていない。東京で起きていることは日本各地で起きているだろう、という事すらも考えず全国ニュースとして流しています。

よって、ニュースで「郊外志向が高まっている」と言われていてもそれは「首都圏ローカル」の話と考えたほうがいいでしょう。

次には東京都心部がの不動産価格が異常に高いこと。

東京中心部は超過密都市であり、地価高騰が半端ない。

大阪や京都の中心部のマンション価格が高いといってもたかが知れています。一般的なサラリーマン世帯の所得では都心部で良好な住宅を手に入れるのは難しい。とはいえ価格が手ごろな場所は遠く郊外まで足を伸ばす必要があり、通勤がネック。そんな状況でテレワークによる通勤頻度の減少が起きました。首都圏では郊外志向が起きるのもわかります。

最後は関東平野が広いこと。

関東平野は、本当に広い。大阪平野も広いですが比ではありません。
北は北摂の山々、東は生駒産地、金剛山系、和泉山脈に囲まれる大阪平野。大阪の地理が分かる方にこの説明をすると「広いな!」と思われるでしょうが面積で言えば約1,600km2。
これに対して関東平野は10倍以上の17,000km2。

芦屋、岡本、箕面といった高級住宅街が「家から歩いて登山が可能」である関西では、東京のような「自然環境を求めた大移動」は不要なのです。これは札幌でも名古屋でも広島でも同じこと。

ワクチン摂取で一旦は先が見えたように思えたコロナ禍も、オミクロン株の流行で社会は未だ停滞気味。筆者は、新型コロナウィルスについての疫学的な知識は持ち合わせていないので、人体への影響がどの程度のものかはよくわかりませんが、経済への影響は計り知れないものがあると思います。

上記で郊外居住は首都圏以外ではそれほど大きなトレンドではないことを説明しましたが、今後トレンドとして起きることは何か?どのようなことを意識していけば良いか?

続きは後編でお話させていただきます。

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2022年問題。生産緑地問題とも呼ばれるもので「2022年に多くの生産緑地が一斉に指定を解除され、大量の宅地が市場に供給される」事象を指します。
三大都市圏では約13,000ヘクタールもの生産緑地があります。これらの生産緑地は固定資産税の軽減等の税制特例を受けており、指定を解除されると数倍、数十倍、場合によっては100倍以上の税負担となります。
さて不動産市場はどうなるのでしょうか?

税負担を減らすには、大きく分けて2通りの対処法があります。
「活用」するか「売却」するかです。

多くの土地所有者は、土地をすぐに手放すことはないと思います。
生産緑地の多くは「先代から守ってきた土地」です。

自分の代で終わらせないために何がしかの活用をするでしょう。

土地活用の筆頭はやはり「アパート建設」でしょう。
生産緑地は土地上に建物が建っておらず、生産緑地が解除されれば宅地並み評価となり税負担が増します。この税負担を減らすのに手っ取り早い、といいますか、わかりやすいのがアパート建設。アパートを建設するだけで税金が減ります。
この「建設するだけでOK!」と言うのが曲者でもあるのですが、税負担は減り賃料収入も増える、なんと言っても土地を手放さずに済む、よしアパートだ!と決心する人は多くいらっしゃいます。

実際に多くのハウスメーカー・アパート建築メーカーは「2022年問題」目掛けて地主への営業攻勢をかけアパート用地の確保に走っています。
前編でも述べたように数多くのアパートが供給されることになるのは明らかです。

税金は減る、収入は増える、土地を手放さずに済む。
サブリースをしてもらえれば収入は確定し、管理を委託すればオーナーとして何もすることはない。なんて素晴らしきかなアパート経営!と考える人がいる一方、アパート経営に懐疑的な人も多くいらっしゃいます。それが一体どのようなものなのか裏も表も知った上でアパート経営を敬遠する人や、建築費の借入をする決断ができない人。
そんな人は駐車場経営等の別の活用方法を考えるか、もしくは売却することになります。

生産緑地解除による税負担の増加は大きい。
また、固定資産税の増加には耐えることができても相続税の支払いが困難という人もいます。これをきっかけに資産整理を進める人が増加し、不動産市場は動きが増します。

市場は動きを増しますが、土地所有者目線で見ると増すのは「持てるものの悩み」です。
生産緑地問題で、活用・売却の上記のようなことで頭を悩ます方がたくさん現れます。
活用するにしてもどの会社に頼むか、売るならばどこに任せようか、売ったお金はどうすればいいのか、相続対策も考えておく必要があります。

土地所有者は考えることが一気に押し寄せます。しかもそれらはどれも、税金、不動産経営、相続等、専門知識が必要なことばかり・・・。

ここで不動産エージェントのできることは、土地所有者に寄り添うことです。
生産緑地問題で、土地所有者が困っているのは「何をどうすればいいか」「本当にその選択肢が正しいか」。アパート建設をどの業者に任せるか、売却をどの業者に依頼するかではありません。

もちろん、すでに「2022年問題」に取り組まれていて相談は不要という人もいらっしゃいますが、そのような人でも不安は抱えています。
そんな人の現状を傾聴し、複数の切り口から話ができる存在は信頼を得ることができます。
多くの人は「アパートを建てましょう」「売りましょう」「駐車場にしましょう」と手段の話しかしていません。それに対して土地所有者の目的、「どうなりたいか」「どうしたいか」をしっかりと受け止めることができる存在であれば、自然と相談は増え、仕事に繋がるはずです。

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2022年の幕開けとなりました。
構成する数字は(0以外は)全てが2。2月2日や2月22日に入籍や会社設立する人も多いでしょう。ゾロ目はなんとなくおめでたいイメージがあり、「2」もなんとなくいい数字です。しかしこの2022年、「問題がある年」と言われています。2022年問題です。

そういえば昔、「2000年問題」が騒がれたことがあります。
2000年になるとコンピュータが誤作動する懸念です。対応に追われた方も多くいらっしゃったと思いますが、それほど大きな問題とならなかったと記憶している方が大半でしょう。
IT関連では2022年問題(*)も注目されていましたが、こちらも関連業界の方は別として一般の人にとってはそれほど話題になっていません。
(*2022年問題:Microsoft Exchange Serverのプログラム上で、2022年になると日付情報が不具合を起こしメール配信が正常に動作しなくなる問題)

そんな話はさておき、不動産業界において気になる2022年問題。
それは、生産緑地に関する話です。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、この2022年問題を簡単にまとめておきます。

簡潔にいいますと2022年に多くの生産緑地が一斉に指定を解除され、大量の宅地が市場に供給される」という問題です。生産緑地とは生産緑地法に基づいて指定を受けた土地のことで、その指定を受けると地主は農業を営むことが義務付けられる一方、固定資産税の減免や相続税の納税猶予などの税制猶予を受けられます。

この税制優遇を受けるために生産緑地の指定を受けた地主が多いのですが、問題なのは指定を受けた時期と生産緑地の期間。生産緑地法が改正されたのが今からちょうど30年前の1992年現在3大都市圏にある生産緑地の約8割がこの1992年の改正時に指定を受けたものと言われており、今年がちょうど30年目。一方、生産緑地の期間の満了は指定後30年を経過した時点。すなわち今年、大量の生産緑地が期間を満了することになります。

どの程度「大量」かは、三大都市圏の都市圏だけで約13,000ヘクタール(2014年末)もの生産緑地があることでおわかりいただけるでしょう。

手続きとしては30年経過後、直ちに指定解除となるわけではありません。
まずは市区町村への買取申出等の手順を経ることになります。一部は市区町村が買い取ることもあるでしょうが、財政難で公有地を売却する行政が多い中、それは極々一部に限られるでしょう。結論、多くの土地が市場に出るのは明らかです。

2022年問題で大量の土地供給がされることにより、新築アパートや分譲マンションが大量供給されることになるのは明らかです。
なぜなら、生産緑地はその広さが500平米以上。今は市町村が条例を定めることで300平米以上にまで緩和されましたが「2022年問題」で市場に出てくる土地は500平米、約150坪。
都心部においては一件の一戸建てとして処分されることは少ない。仮に容積率200%とすれば500平米×200%=300平米で延べ床面積300坪の建物が建ちます。有効率(専有面積の合計値の延床面積に対する比率)を80%、一住戸あたりの面積をアパート45平米、分譲マンション70平米とすれば、アパートなら約9戸(500平米×80%÷45平米)、分譲マンションなら約6戸(500平米×80%÷45平米)の住宅が供給されます。一戸建てなら4~6戸。

実際には「6戸の分譲マンション」はないでしょうが、どの程度の住宅ができるかの目安にはなります。

さてこの2022年問題。不動産エージェントにとってどの様な意味があるのでしょうか?

続きは後編でお話させていただきます。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。

*本コラムは、RE/MAX JAPAN のメルマガで配信した内容を基に掲載しております。
本文中に出てくるデータはメルマガ配信当時に当社独自の調査に基づいたものです。
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誠に勝手ながら、下記の日程にて年末年始を休業とさせていただきます。

 

【休業期間】 2021年12月29日(水曜日)~2022年1月4日(火曜日)

       1月5日(水曜日)より通常営業とさせていただきます。 

 

複数の会社に一括で査定依頼できる一括査定サービス
一社一社連絡先を調べて概要を伝えることを考えると、手間は軽減できます。うまく使えば便利なツールですがメリットばかりではありません。

一括査定サービスのデメリットは何なのでしょうか?

一括査定サイトにおける一番の「勘違い」は「査定価格の一番高い会社」が一番いい会社と思って依頼してしまうことです。一番高い会社に頼むな、という意味ではありません。問題は、一番高い査定を出した会社が一番高く売る会社ではないということです。3ヶ月間市場で売却活動をすれば売れる価格を査定価格とする場合が一般的ですが、全ての業者がその基準で出してくるわけではありません。「うまくいけばこの価格で売れるかもしれない」「多少時間はかかるが売れると思われる価格」で提示している会社もあるでしょう。低い金額を出した会社も「多少時間がかかっても構わないとすればいくらが妥当ですか?」と聞けば同じような金額が返ってくるか可能性はあります。

またあってはいけないことですが、高めの査定を出してまずは媒介取得を目指すと言うスタンスの会社も存在します。一括査定サービスの多くは「問い合わせ課金」。媒介を取得できようができまいが問い合わせを受けた時点で経費が発生します。問い合わせを受けた会社は媒介を取り成約させないことには経費倒れとなるため、多少高い金額を提示してでもお客様の気を引こうとするのも仕方ありません。

ただ、高い査定価格が一番確からしいケースもないわけではありません。
例えば、査定対象が特殊な案件でありニーズをつかめていない会社が保守的な査定結果を提示しているのに対し、物件特性を十分理解し顧客を正しく想定できている会社が高い査定を提示するというケースがないわけではありません。

もしエージェントとしてお客様から一括査定サービスの評価を聞かれたらこのように答えるべきです。

「一括査定サービスでは査定価格以外を見てください」

繰り返し書きますが査定価格はあくまで査定
買取価格ではないので査定会社はその数字に何らコミットしません。大切なのはその査定価格を導き出した根拠、そして査定価格で売却するための具体策です。査定金額は高い安いが問題ではなくそれが確からしいか。またそれが確からしい数字でも具体策がなければ売れない。その売り方は効果があるのかないのか。その辺りをしっかりと見極めることができれば一括査定サービスをうまく利用できると言えるでしょう。

しかし、査定根拠や販売活動を一般の方が評価・確認するのは難しい。

その補助・助言をするのが不動産のプロ、エージェントの役目です。

「でも、そんなことしても仕事にならないのでは?」と言う向きもあるかもしれませんが、それは心配無用。このような相談を顧客から受けることで、他社の査定や売却手法をじっくりと見ることができます。それを受けて、自分の方がよりお客様のためになる提案ができるのならばそうすれば良い。

一括査定サービスの利用について相談されたときは、このようなメリットデメリットを説明した上で「一度使ってみればどうですか?査定結果をこちらで拝見の上ご説明しますよ」と言えば良い。「あのサービスは良くない!」とネガティブな説明をするよりもお客様との距離は縮むでしょう。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。

*本コラムは、RE/MAX JAPAN のメルマガで配信した内容を基に掲載しております。
本文中に出てくるデータはメルマガ配信当時に当社独自の調査に基づいたものです。
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RE/MAXでは、アメリカ発祥のビジネスモデル「エージェントセントリックモデル」を
展開しています。加盟店・エージェントにご興味のある方、お問合せお待ちしております。
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不動産売却サポートサービスの一つとして「一括査定サービス」あります。

当然筆者も仕事柄いくつかのサービスは知っていますが、改めて調べたところ思った以上たくさんのサービスが存在しました

「SUUMO」「HOME4U」「LIFULL HOME’S」「リビンマッチ」「イエイ」「イエウール」「マンションナビ」あたりがよく名前を聞くサービスですが、それ以外にも「イエシル」「イエカレ」「スモーラ」「リガイド」と同じようなネーミングのものから「ズバット不動産売却」「不動産査定エージェント」「不動産売却査定君」「不動産売却の窓口」などの直接的な名前まで、軽く20以上のサイトがありました。

エリア特化したものなどを含めればもっとたくさんあるに違いありません。

「一括〇〇サービス」は多くあります。

車買取査定の「カーセンサー」、引越し見積もりの「引越し侍」などは利用したことはないとしても名前だけは知っている人が多いでしょう。
名前を知っていれば「車を売る」「引越し」等のイベント発生時に当該サービスを利用する可能性も高い。誰だって車は高く売りたいし、引越しは安く済ませたい。そのため複数の会社にヒアリング、安いところを探します。

しかし、いろんな会社を探してそれぞれにやりとりをするのは面倒です。
そんな人には「一括査定サービス」はなかなか良い仕組みだと言えます。しかしここで気をつけたいことがあります。
それは車の買い取りと引越しでは、選ぶ際のポイントが異なることです。

車の買い取りは高いに越したことはなく、引越しは安いに越したことはない。しかし車の買い取りが「一番高い会社を選べば良い」のに対し、引越し費用は「一番安い業者を選べば良い」とは限らない。いくら金額が安くても荷物の取り扱いが雑な会社には頼みたくないし、引越し日の融通がきくか?なども大切なポイントとなります。金額以外のポイントについては、事前に確認できることもあればできないこともありますが、その辺りも総合的に考えてどの会社にするか選びます。

このように「一括査定サービス」で比較される対象は、金額だけで比べられるものと比べられないものがあり、当然金額だけで比べられるものの方が「一括査定サービス」に向いています。

さて、不動産の一括査定サービスはどうでしょうか?
一見、査定価格が高い方が良いから「金額だけで比べられる」と思われがちですが、全くそうではありません。不動産の一括査定サービスで複数社から査定をもらっても金額だけで選んではいけない。なぜか?
それは不動産の価格査定は、その査定価格に対して査定業者が責任を負わないからです。

先の例に出した引越しの価格。

作業の質がどの程度のものか事前に知ることはできませんが、もし業務の質が低く「安かろう悪かろう」であっても提示した価格は守られるでしょう。一番安い業者に頼めば、業務内容に納得がいかずとも一番安く上がることは間違いありません。

しかし、不動産の価格査定はそうではありません。
一番高い査定を提示した業者が一番高く売るわけではありません。査定はその業者が「売れるであろう」と考える数字であり、その金額で売れるかどうかは業者にはコントロールできません。複数社から金額提示を受けても、仕事の質がわからないことはもちろん、その金額すら業者が顧客に対してなんらコミットをしない数字でしかない。不動産の一括査定サイトとはそういうものです。

にもかかわらず「複数社に査定依頼することで高い査定価格の会社が見つかる」「複数社の査定額を比較することで、その差が●●万円以上になることもある」と査定価格が高いことを良しとするサイトも多くあります。

もしエージェントであるあなたがお客様に不動産の一括査定サイトのことを聞かれたらどう答えれば良いでしょうか?

答えは後編でお話させていただきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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数年前から「働き方改革」と叫ばれ、様々な施策が試みられてきました。
育児休暇、時短勤務、フレックス、副業解禁等々。テレワークやIT推進も同様で、これらはコロナ禍に現れたものではなく既存のキーワード。「IT化」は「DX化」に置き換わった感はありますが、正しい定義はさておき、IT技術を使っての業務効率化促進という意味では同じ方向性の言葉と言えるでしょう。上記の様々な施策は、企業側・経営者側に大きな負荷がかかります。
長期的に、また、社会的には生産性の向上に貢献するとわかっていても、一時的には社内の生産性が落ちたり経費が嵩んだりするため、経営者にとってはなかなか手をつけづらい。
だから「日本の未来のために!」と大きく号令がかかっても最初の一歩が踏み出せない。「日本の未来」よりも「今の自分」が大切だと考えるのは致し方ない。
しかしコロナ禍で事情が変わり、テレワークを進めることが「今の自分」のためとなり、そのテレワーク実現のためにIT化・DX化も進化しました。戦後様々な経済的危機が日本を襲いました。
最近ではバブル崩壊やリーマンショックです。バブル崩壊のきっかけは「総量規制」と呼ばれた不動産に対する融資規制が発端であり、リーマンショックはアメリカの投資銀行リーマンブラザーズの破綻により金融危機が発生しました。どちらも世間で「お金が止まった」。
それに対してコロナ禍は金融システムは毀損していません。むしろ特定の業種業態や富裕層はより「お金が増えた」。

コロナ禍で止まったのはお金ではありません。人です。
ソーシャルディスタンスがニューノーマルとなり人の流れが止まりました。

それらを踏まえて今後オフィスはどう変わるのでしょうか?
ポイントは先にも出てきましたキーワード「テレワーク」「IT化・DX化」。

これらのキーワードを使ってコロナ前とコロナ以降の「働き方」の変容を説明するとこうなります。

 

今までは大多数の会社員にとって「働く」とは「オフィスで働く」ことでした。
ベースはオフィスでした。
(1)1対1のコミュニケーションは電話(2)情報収集や情報伝達はPC、そして(3)複数名での交流や共有は会議室、そういう構造でした。
それがコロナ禍ではソーシャルディスタンスの観点からIT化・DX化が進み、かつてはオフィスで実際に顔を合わせて行っていた(3)複数名での交流や共有などのコミュニケーションもZoomやMicrosoft Teamsで行なわれるようになりました。これはすなわち、PCが業務に取り入れられる昔から働くことのベースであり続けたオフィスがそのポジションを、オンラインプラットフォームに譲ったわけです。
今後、「働きやすい会社」は「交通至便で快適なオフィス」ではなくどこからでもアクセスできるオンラインプラットフォーム」を備える必要があります。今後オフィスが消滅することはないと思いますが、「自宅」とコワーキングスペースその他の「サードプレイス」と同列化していく方向に進むことにはなるでしょう。
既存のオフィス需要が減る一方、新たなオフィス需要も生まれる可能性があります

それがどのような形になるのか、それは一概には言えません。
東京都心部、政令指定都市、郊外エリア、それぞれに事情は違います。各エリアの現状を把握した上で、どのような利用形態に需要があるかを考えることが必要になります
これは、地域のことをよく知るエージェントにとって新たな顧客を獲得するためのチャンスに他ならないといえます。。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。

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9月1日、デジタル庁が発足しました。
職員はおよそ600人、その内200人ほどが民間出身。「ようやく」とか「いまさら」とか、何かと話題になっています。
事務所があるのは東京都千代田区、東京ガーデンテラス紀尾井町の2フロア。
このビル、2011年まで営業していた通称「赤プリ」、正式名称「グランドプリンスホテル赤坂」跡地に建設された複合施設で、ホテル、オフィス等の複数用途で利用されています。オフィスエリアで、一番面積を占めていたのはヤフージャパン。全部で20フロア借りていました。凄まじい面積です。
ところがこのコロナ禍でオフィスを縮小、合計7フロア分を解約しました。そのうちの2フロアを借りたのがデジタル庁というわけです。

ところでオフィスを退去した場合、一般的には「原状復帰」の義務があります。
原状復帰とは「入居前の元の状態に戻す」ことを言います。広いオフィスであれば数千万円かかることもあります。ではヤフーは7フロアも解約したのでさぞや費用がかかるのではないかと思いきや、どうやらそうでもない様子です。

ニュースやネットの書き込みを見ていると、デジタル庁は「居抜き」で移転したようです。
居抜きとは前賃借人が残した設備や内装等をそのまま利用することを言います。
退去する側からすると原状復帰費用が不要、もしくは大幅に削減されるので大変経済的です。ネットで話題になっていたのを見ただけなので筆者は真偽の程を知らないですが、もしデジタル庁が居抜きで借りたのならばヤフーはかなりラッキーをしたと言えます。

ただ、それを持ってして「一私企業の経費を税金で肩代わりした」というのは疑問です。
居抜きでの入居でラッキーなのはヤフーだけではなく、デジタル庁も然り。本来なら借主サイドでやるべき内装工事が不要になるわけですから、こちらも費用が浮きます。
「原状復帰」に比べ「居抜き」は前借主・新借主双方にとってプラス。今あるものを使うという点では環境にも優しい。
オフィスを例に話をしていますが、これは商業店舗でも同じ話。ただオフィスに比べ店舗は借主の業種等によってレイアウトや仕様が大きく異なるため、オフィスよりも居抜きで利用できる確率は低くなります。雑貨店の居抜きでラーメン屋は営めない。

不動産は住宅産業のイメージが大きい。

多くの人がイメージする「不動産」は新築一戸建て、新築マンション、中古マンション、中古一戸建てではないでしょうか。
しかし市場規模、特に都心部においてはオフィスの割合は高い。
J-REITの保有不動産の用途別比率ではオフィスが約4割で、2番目の商業施設(16.5%)の倍以上のシェアを占めています。「割合が高い」どころかトップシェアです。郊外エリア・地方都市ではこのようなシェアにはなりませんが、住宅街ではない市街地においては一定のマーケットボリュームがあるには違いありません。
住宅しか取り扱わないとしても「不動産エージェントの嗜み」としてオフィスマーケットの動向は知っておいた方が良いでしょう

業界人以外にはマイナーですがマーケットボリュームではメジャー扱いのオフィス事情。
今、コロナ禍で変化しつつありますが、今後もっと大きく変わるのではないでしょうか。
それは価格や取引件数といった過去の延長線上の話ではなく、オフィスの定義自体に及ぶように思えます。さてどのような変化が起きるのでしょうか?

続きは後編でお話させていただきます。

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買替えや処分等の理由で一戸建てやマンションを売却する際、多くの人は不動産会社に依頼するでしょう。
仲介会社と、媒介契約を締結し、買主を探してもらい、成約時には仲介手数料を支払います。これが一般的な流れになります。不動産を売却するにはもう一つの手段があります。それが買取です。
市街地の分譲マンションや一戸建てには毎日のように、人気物件であれば毎日複数の「買取チラシ」が投函されているので手に取ったことのある方も多いでしょう。担当営業マンの自己紹介や似顔絵などと一緒に「こんなメリットがあります!」といったことが書かれているチラシです。
買取は、正確には仲介業者を介さずに不動業者が購入することであり、「仲介」と「買取」という区分に違和感がないわけではありません(買取が仲介を介することもあれば、仲介での購入者の目的が買取であることもあります!)が、ここは業界の慣例に従い買取と表現したいと思います。チラシ等を見て「買取って得だな!」と考える方もいるでしょうが本当にそうなのでしょうか?
簡単にいくつかの「メリット」をみてみましょう。・すぐに現金化できる→◎
これはメリットといっても良いでしょう。分譲マンションや一戸建てを購入する人の多くは住宅ローンを利用します。そうすると契約から決済=現金化までは1ヶ月程度はかかります。
実際には、販売活動や購入者の検討時間も必要なため2ヶ月程度は現金化できません。
これが不動産業者の買取であれば2~3,000万円程度位までの物件であれば一週間もあれば現金化できるでしょう。

・売却活動の手間がかからない→◎
これは買取のいちばん大きなメリットです。査定価格が出れば、後の作業はほぼ全て不動産業者が主導して手際良く進めてくれます。手続きは任せておけば安心です。
ただ、だからこそ信頼おける業者に任さなければいけません。また、それは「業者選び」の話であり「業者買取」の話とは分けて考える必要があります。信頼おける業者であれば、面倒がないのはとても楽。読み終えた本や使わなくなった商品を少しでも高く売るために一つずつメルカリに出品するよりも、多少安くはなりますが手間をかけずに買取店に持ち込む。そんな感覚です。

・契約不適合責任が免除される→○
不動産業者が買取る場合、多くは契約不適合責任を負わずに済みます。引渡し後の面倒や気苦労も不要。これはある意味メリットと言えます。しかし、一般の買主に対しても同じ売り方は可能。民法改正前の瑕疵担保責任の免責のように「特約に一行で記載」といった特約で済ますことはできませんが、個別に懸案事項を書き出して契約不適合責任を負わない旨の契約を締結することによって、ある程度は契約不適合責任が免除されます。

・近隣に知られずに売却できる→△
これはメリットとして微妙。折り込みチラシやネット掲載をせずに売却できる、ということですが都市部の一戸建てやマンションであればレインズに掲載することである程度目的は達することができます。だが、そもそもこのようなニーズがどれほどあるかは筆者は懐疑的です。確かにオープンルーム等の開催で売却することを近所の人に知られてしまい色々勘繰られるのを面倒に思う人はいらっしゃいますが、空室にして荷物を片付けたり、ハウスクリーニングを施してから売却活動を始める人が多い。かつては「先祖伝来の土地を売る自分の代で売るのは恥」といった具合に「近隣に知られたくない」と言う心情を持つ人もいらっしゃいましたが、分譲マンションでこのように思う人がどの程度いるのかはわかりません。

・販売が難しい不動産でも売れる→△
「再建築不可、違法建築、何でも買い取ります!」。そんな文言をよく見かけますが、本当に商品化できないものはプロでも買いません。商品化できるが商品化にかかるコストが販売価格を上回るような場合も、買い取ってもらえません。
例えば300万円かけて屋根を直せば商品化できますが屋根の修理に300万以上かかってしまうような場合です。更地価格が100万円なのに解体費が100万以上かかるような場合もこれに当たります。もとより、そのような物件には「買取チラシ」は投函されないでしょう。

・仲介手数料がかからない→×
これを一番のメリットだと言い切ってしまうのは、言葉足らずの感が否めません。「優良誤認」を誘っています。それが言い過ぎだとしても、プロとして正しい説明をすべきです。仲介ではないんだから仲介手数料はかかりません。百歩譲って「不動産買取にも仲介手数料がかかると思っている人への丁寧な説明」だとしても、仲介手数料がかからないことだけを伝えるのは不親切極まりない。最終いくら手元に残るのか、すなわち売却価格がいくらになるのかとセットで説明しなければ「メリット」とは言えません。

メリットとされている項目をいくつか説明しました。ではデメリットは?これは簡単。

売却価格が市場価格よりも安くなることです。メリットと価格、このバランスをどう見るか?エージェントとしてどのように顧客に説明するのが良いのでしょうか?

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市街地の分譲マンションや一戸建てには毎日のように、人気物件であれば毎日複数の「買取チラシ」が投函されているので手に取ったことのある方も多いでしょう。担当営業マンの自己紹介や似顔絵などと一緒に「こんなメリットがあります!」といったことが書かれているチラシです。
買取は、正確には仲介業者を介さずに不動業者が購入することであり、「仲介」と「買取」という区分に違和感がないわけではありません(買取が仲介を介することもあれば、仲介での購入者の目的が買取であることもあります!)が、ここは業界の慣例に従い買取と表現したいと思います。チラシ等を見て「買取って得だな!」と考える方もいるでしょうが本当にそうなのでしょうか?
簡単にいくつかの「メリット」をみてみましょう。・すぐに現金化できる→◎
これはメリットといっても良いでしょう。分譲マンションや一戸建てを購入する人の多くは住宅ローンを利用します。そうすると契約から決済=現金化までは1ヶ月程度はかかります。
実際には、販売活動や購入者の検討時間も必要なため2ヶ月程度は現金化できません。
これが不動産業者の買取であれば2~3,000万円程度位までの物件であれば一週間もあれば現金化できるでしょう。

・売却活動の手間がかからない→◎
これは買取のいちばん大きなメリットです。査定価格が出れば、後の作業はほぼ全て不動産業者が主導して手際良く進めてくれます。手続きは任せておけば安心です。
ただ、だからこそ信頼おける業者に任さなければいけません。また、それは「業者選び」の話であり「業者買取」の話とは分けて考える必要があります。信頼おける業者であれば、面倒がないのはとても楽。読み終えた本や使わなくなった商品を少しでも高く売るために一つずつメルカリに出品するよりも、多少安くはなりますが手間をかけずに買取店に持ち込む。そんな感覚です。

・契約不適合責任が免除される→○
不動産業者が買取る場合、多くは契約不適合責任を負わずに済みます。引渡し後の面倒や気苦労も不要。これはある意味メリットと言えます。しかし、一般の買主に対しても同じ売り方は可能。民法改正前の瑕疵担保責任の免責のように「特約に一行で記載」といった特約で済ますことはできませんが、個別に懸案事項を書き出して契約不適合責任を負わない旨の契約を締結することによって、ある程度は契約不適合責任が免除されます。

・近隣に知られずに売却できる→△
これはメリットとして微妙。折り込みチラシやネット掲載をせずに売却できる、ということですが都市部の一戸建てやマンションであればレインズに掲載することである程度目的は達することができます。だが、そもそもこのようなニーズがどれほどあるかは筆者は懐疑的です。確かにオープンルーム等の開催で売却することを近所の人に知られてしまい色々勘繰られるのを面倒に思う人はいらっしゃいますが、空室にして荷物を片付けたり、ハウスクリーニングを施してから売却活動を始める人が多い。かつては「先祖伝来の土地を売る自分の代で売るのは恥」といった具合に「近隣に知られたくない」と言う心情を持つ人もいらっしゃいましたが、分譲マンションでこのように思う人がどの程度いるのかはわかりません。

・販売が難しい不動産でも売れる→△
「再建築不可、違法建築、何でも買い取ります!」。そんな文言をよく見かけますが、本当に商品化できないものはプロでも買いません。商品化できるが商品化にかかるコストが販売価格を上回るような場合も、買い取ってもらえません。
例えば300万円かけて屋根を直せば商品化できますが屋根の修理に300万以上かかってしまうような場合です。更地価格が100万円なのに解体費が100万以上かかるような場合もこれに当たります。もとより、そのような物件には「買取チラシ」は投函されないでしょう。

・仲介手数料がかからない→×
これを一番のメリットだと言い切ってしまうのは、言葉足らずの感が否めません。「優良誤認」を誘っています。それが言い過ぎだとしても、プロとして正しい説明をすべきです。仲介ではないんだから仲介手数料はかかりません。百歩譲って「不動産買取にも仲介手数料がかかると思っている人への丁寧な説明」だとしても、仲介手数料がかからないことだけを伝えるのは不親切極まりない。最終いくら手元に残るのか、すなわち売却価格がいくらになるのかとセットで説明しなければ「メリット」とは言えません。

メリットとされている項目をいくつか説明しました。ではデメリットは?これは簡単。

売却価格が市場価格よりも安くなることです。メリットと価格、このバランスをどう見るか?エージェントとしてどのように顧客に説明するのが良いのでしょうか?

続きは後編でお話させていただきます。

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西成の住宅崩落事故、熱海の土石流事故。梅雨時に起きた二つの事故について書いた前編を受けて、後編では、安心・安全な暮らしの基盤となる住宅、さらにそれを土地と建物に分解し、もっとも安心・安全に関わるインフラといえる土地の安全性についてどのように考えるのが良いかに触れていきたいと思います。

建物の安全性が、プロの手によるインスペクション等が必要で専門知識のない人にとって分かりにくいのに対して、土地の安全性については専門的知識がなくてもある程度は確認することができます。少なくとも、将来において事故や災害が起きる可能性が高そうな場所を見抜くことができます。

まず初めに確認したいのはハザードマップです。
ある程度のある人にとっては「何を当たり前のことを!」と言われそうですが、見たことがないという方も多くいらっしゃいます。
2020年8月からは重要事項説明書への記載が義務付けられたので購入する時には必ず目にすることになりましたが、それでも全ての人がしっかりと見ているかというとそうでもないでしょう。

ハザードマップには色々な種類があります。
国土地理院のサイトでの分類を参考にすれば洪水・内水・ため池・高潮・津波・土砂災害・火山、と7種類のハザードマップがあります。この内インターネットで公開しているものは、大阪市が洪水・内水・高潮・津波、神戸市は洪水・内水・津波・土砂災害の4種類、京都市は洪水・内水・土砂災害の3種類となっています。少しずつ公開内容が異なっており地域性が見えます。

大阪市には洪水ハザードマップがあると書きましたが、「洪水ハザードマップ」というものが一枚あり、それを見れば「どこが洪水になるのか」が一目瞭然にわかるわけではありません。
例えば大阪市中央区。“洪水マップ”も川毎に「淀川が氾濫した場合」「大和川が氾濫した場合」「寝屋川流域が氾濫した場合」と3種類用意されています。なんとも丁寧な対応です。
行政により充実度の差異はありますが、このような資料が無料で提供されているのですから見ない手はありません。またこれを見るだけである程度「危険な場所」は忌避できます。

ただ、ハザードマップは「災害が起きた時に被害を被るかどうか」についてのリスク開示であって地盤そのものについての情報ではありません。
これについてはハザードマップ同様、ネットを活用したい。やはり国土地理院のサイトです。
過去の土地利用や航空写真等が公開されています。
これを見れば、その土地が過去に池や河川であったかどうかなどがわかります。プロであれば周辺の河川や水路、暗渠、道路形状等を見ればある程度わかりますが、そんなことをせずともネットを見れば子供でもわかります。これを確認せずに後で文句を言うのはもはや購入者の怠慢と言われても仕方がありません。

とはいえ、そもそもそのような情報が開示されていることを知らない方も多くいらっしゃいます。
不動産エージェントとしてはそのような「知識ギャップ」を埋めることが顧客への価値提供と言えます。

ところで地図を見ればわかる地盤に関わる情報として忘れてはいけない大切な情報があります。活断層です。
若いエージェントには覚えがないでしょうが、1995年の阪神淡路大震災の後、関西では多くの人が不動産購入時に「活断層チェック」をしました。当時インターネットでの情報開示は今ほど進んでおらず、紙の「活断層マップ」をチェックしていました。それが今は簡単にWEBで見ることができます。

これはすべてのことに言えることですが、エージェントはハザードマップ や活断層図を頭に入れる必要はありません。必要な時にWEB等の情報ソースから取り出せば良いのです。取り出し方を知っていれば良いのです。オフィスオーナーであればエージェントに取り出し方を伝えれば良いのです。

「魚を与えるのではなく釣りの仕方を教える」、といわれる格言に例えると、エージェントはお客様に「魚を与える」、オフィスオーナーはエージェントに「釣りの仕方を教える」ことが望ましいといえます。

(参考サイト)
国土地理院「ハザードマップポータルサイト」
https://disaportal.gsi.go.jp/index.html
大阪市「水害ハザードマップ(中央区)」
https://www.city.osaka.lg.jp/kikikanrishitsu/page/0000300824.html
国土地理院「活断層図(都市圏活断層図)について」
https://www.gsi.go.jp/bousaichiri/active_fault.html

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6月末、大阪市西成区で住宅が突然崩落する事件が発生しました。
家屋が擁壁の下に崩れ落ちる瞬間の映像を見て驚いた方も多くいらっしゃると思います。
しかし驚きはそれだけではなく、都心のど真ん中で起きたということ。
山間部の集落やニュータウンならこのような災害が起きることも考えられますが、果たして都心でそのようなことがあるのでしょうか?
場所を聞いて、しばし耳を疑いました。大阪市内の市街地にあのような場所があるとは「ブラタモリ」好きな「地形マニア」の方なら別ですが、普通は知らないでしょう。大方地元、もしくは地縁のある人が知るところです。ちなみに、この場所を地形好きの方がなぜ知っているのか?
それは、そこが上町台地の端として有名な場所だったからです。大阪の天王寺区や中央区にもその場に立つだけで上町台地を感じることができる急坂はありますが、今回の災害現場のような急峻な場所は少なく、それだけ特殊な場所だったということです。
そこに巨大な擁壁があり、その上には住宅があり、直下では老人ホームの建築工事が進められていました。報道によれば地域住民からは「地盤が緩い場所なので対策を講じて欲しい」という不安の声も上がっていたといいます。
因果関係は明らかにはされていませんが、この崩落事故、起こるべくして起きたという向きもあるでしょう。そして西成の話題をニュースで見かけなくなった頃に起きたのが熱海市の土石流。
西成の住宅崩落は幸いなことに怪我人等はいらっしゃいませんでしたが、熱海の土石流では大変残念なことに7名の方が犠牲となり、いまだ27名の行方不明者がいらっしゃいます(*)。
民家のすぐ横を住宅を飲み込みながら大量の土砂が流れ落ちていく様子に驚きを隠せませんでした。

こちらについて筆者は現地の様子は全くわかりませんが、ネットやテレビで見る報道や画像を見ると、どうやら土石流の端緒部は開発行為に伴う大量な盛り土があったようです。
事故現場の過去撮影された現地上空からの写真を見比べると、以前は森林であった部分が近年になってから盛り土が施されていたことがよくわかります。
また土木のことを多少知る人であれば、画像を見れば「排水処理がなされてないのではないか?」という疑問が浮かぶでしょう。こちらも西成の件と同様に今後の調査結果に判断を委ねることになりますが「人災」の可能性もあり得ます。

梅雨時期に東西日本で起きた二つの事件は、土や水の怖さを知るに十分過ぎる出来事であり、特に熱海の件は「土地の安全性の大切さ」を知らしめるにはあまりに大きな代償を伴ったと言えます。

人が安心して安全に暮らしていくために必要な住宅というインフラ
住宅が建設される、さらに重要なインフラと言える「土地」。
この安全性についてどのように考えるのが良いでしょうか?
続きは後編でお話しさせていただきます。

* 原稿執筆現在(2021年7月7日)

大阪市西成区崩落事故の住民の方々、熱海土石流災害で被災された方々に
衷心よりお見舞い申し上げます。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。

 

*本コラムは、RE/MAX JAPAN のメルマガで配信した内容を基に掲載しております。
本文中に出てくるデータはメルマガ配信当時に当社独自の調査に基づいたものです。

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国土交通省が「心理的瑕疵ガイドライン(案)」の意見募集、いわゆるパブコメを募集しています。
一般的には「事故物件」などと呼ばれたりもする心理的瑕疵物件、多くの方ができれば避けたいと考えています。中には気にしない方もいらっしゃると思いますが、それも心理的瑕疵の程度によります。まったく気にしないレベルから、気にはなるけど安くなるなら買う(借りる)というレベルまで、その人の感じ方による部分が大きい。感覚的であるがゆえに仲介業の現場でも取り扱いにくい部分がありました。
お住まいだった方が老衰等で自然死した場合でも告知する業者もあれば、居住者が変死した物件でも「誰かが一度済めば告知は必要ない」として関係者に短期間住まわせてから告知せずに賃貸募集するような業者もあります。

そんなあいまいな心理的瑕疵についてガイドラインができることは業界にとってはプラスであると考えます。
しかし、心理的瑕疵は定量的に定義できるものではありません。
例えば同様の殺人事件が起きた場合であっても東京の都心部と離島の山村などでは捉えられ方が異なるということは前編でも触れたとおりです。

とはいえガイドラインができてしまえば良くも悪くもそれに従わなければなりません。
問題はガイドラインの存在しない、今現在の話。

具体的には以下のような対応が考えられます。

・売主(貸主)への確認
まずはこれが基本。あたりまえと思われるかもしれませんが、きちんと聞いていない場合もあるでしょう。「こちらの物件で、心理的瑕疵にあたるようなことはありましたか?」と聞いても心理的瑕疵とは何であるかを売主(貸主)が理解しているとは限りません。

今回のガイドラインでは人の死の場合のみを取り上げていますが、暴力団員が住んでいた、死には至らなかったが重大な事件が発生したなど、人が亡くなっていなくても心理的瑕疵にあたることはあります。
「住むに当たって心理的な抵抗を感じることがありましたか?」と聞き、さらにはこのようなことが心理的瑕疵にあたると例示的に示すことも必要です。・周辺住民への確認
当事者以外にも周辺の人に聞くことも大切です。
当事者が嘘をつくことはあまりないと思いますがあり得ない話でありません。
また、前所有者から知らされておらず真実を知らないことも十分にあり得ます。実際に筆者も、戸建て業者が相続案件を取得し、隣地との境界確認の際に隣地住人から敷地内で自死があったことを初めて聞かされた、という事例を知っています。唐突には聞きにくいかもしれませんが、もし告知していない購入者に「隣の人に聞いて心理的瑕疵を知った」と言われ、それが事実であった場合、仲介業者は十分な調査を怠ったと判断され損害賠償を請求される可能性もあります。

・ネットでの調査
「大島てる」を見る。これは見ておいたほうが良いでしょう。同サイトについては信ぴょう性がないという見方もありますが、正しい情報も多くあり、十分参考になります。
それ以外にも住所やマンション名プラス「事故」「事件」といったキーワードで検索する、マンションであれば掲示板を見る、といったこともしておきましょう。
特に掲示板については心理的瑕疵に限らず、マンションに関する「噂話」を知ることができます。「ネットに記載されている内容だから意味がない」、という向きもありますが決してそんなことはありません。なぜなら検討者もネットで調べている可能性が高いから。

確かにネット記事には眉唾な情報も多いですが、掲載されている以上は質問される可能性があります。そして、答えるためには調査する必要があります。

心理的瑕疵は買う(借りる)人にとっても、取り扱うエージェントにとっても難しい問題です。ガイドラインができるのは進歩だと言えます。
ただ売買の場合は知り得たことをいう必要があるのに対し、賃貸では3年を区切りとしてそれ以前のことは告知不要といった線引きは、それが良いのかどうか判断が分かれるでしょう。賃貸物件のオーナーからすれば「たった一度の事故」で資産価値が低下するのはやりきれないでしょうし、住む側からすれば購入なら真実を話してもらえるのに賃貸ならば告げてもらえないというのも納得がいかないでしょう。

一度人が亡くなった不動産を事故物件として取り扱えばいずれ日本中は事故物件だらけになります。それが物件の流通を妨げ、不動産の価値を下げるのは、国の資産価値を既存する話です。そもそも人が死ぬのは自然なこと。資産価値を毀損するのは「自然な死」ではないものとはっきり決める必要があります。

ガイドラインの作成も大切ですが、必要なのは不動産に対する考え方ではないでしょうか。いくらガイドラインが作成されても、その通りに告知するかしないかは人に委ねられています。

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「心理的瑕疵の取り扱いに関するガイドラインができました」。というニュースを見た方も多いでしょう。
心理的瑕疵のガイドライン=事故物件の基準と読み替えるとわかりやすい。
心理的瑕疵は、不動産の瑕疵の中でも一番曖昧でわかりにくい。売主、買主が気になるのはもちろん、その両社の中に入るエージェントにとってもどこまでが心理的瑕疵になるのかその判断に迷うところです。

ところで改めて「瑕疵」とは何でしょう。
辞書的に瑕疵とはキズのこと。不動産の瑕疵とは「不動産のキズ」です。法律用語としては「本来あるべき品質や状態が備わっていないこと」。その「不動産の瑕疵」、大きく四つに分けることができます。

(物理的瑕疵)
これが一番わかりやすい。雨漏りがする、シロアリに喰われている、耐震基準を満たしていないといった建物の欠陥を指す場合も多いですが、土壌汚染や地中障害等、土地に関する瑕疵もあります。

(法律的瑕疵)
法令等で自由な使用収益が阻害されている場合がこれにあたります。建築制限や既存不適格、接道要件を満たさない再建築不可物件等々。

(環境的瑕疵)
周辺環境に問題がある場合です。工場の臭気、鉄道の振動、道路の騒音等々がこれにあたります。

そして残る最後の瑕疵が心理的瑕疵
建物内、敷地内における自殺、殺人などが発生した場合がこれにあたります。エージェント業務においてこの心理的瑕疵が厄介な理由は二つあります。

一つは調査がしにくいこと。
先にあげた三つの瑕疵は現地調査、役所調査、周辺調査でおよそ発見することができます。
建物の物理的瑕疵は建物であれば建築士や工事業者に調査してもらうことで、土地の物理的瑕疵は地図や謄本を使っての地歴調査等で把握できます。
法律的瑕疵は土地家屋調査士や建築士等に依頼して役所調査を徹底すればわかります。
環境的瑕疵はエージェント自身が地図調査や現地周辺調査で発見することができます。
しかし心理的瑕疵は専門の士業がいるわけでもなく、ヒアリングするしかありません。極端な話、実際には何か問題があったとしても売主が「知らない」と言ってしまえばお手上げです。仮に売主が本当に知らない場合でも「事件性があるようなことがなかった」という証明にはなりません。実際に売主が前所有者から聞かされていないというような場合もあります。

もう一つは、金銭換算しにくいこと。
物理的瑕疵は、文字通り物理的に修復できることが多く、瑕疵が有る物件は修復にかかる費用分を売却価格から減じることができます。
法律的瑕疵も容積率が消化できなければその減価分を見積もることができます。
しかし心理的瑕疵については「殺人事件が起きたからこれだけ安くします」というような金銭換算が難しい。これは環境的瑕疵についても同じことが言えます。

また心理的瑕疵の場合、それが瑕疵にあたるかどうかも難しいところです。
例えば「その土地で殺人事件があった」。そんな土地を購入したいという人がいるでしょうか。できればそのような土地の購入は避けたいという人がほとんどでしょう。
しかしその重みは物件によって異なり「東京都内中心部に有る千戸超の大規模マンションの敷地内」と「山間部にポツンと有る一戸建て」とでは印象が全く違うでしょう。
さらにそれが先月起きた物件と10年前に起きた物件でも、受け止め方が変わります。実際に筆者も他殺体と思しき人骨が土地から出てきた物件を知っています。場所は京都市の壬生といわれるエリア。周辺をよく知る人曰く「このあたりは幕末の頃とても治安が悪かったので人骨が出てくるのは珍しくない」とのことでした。

筆者が遭遇した「他殺体」は新撰組の仕業らしいですが本当のことは知る由もありません。
しかし、考えてみれば人はいずれ必ず死んでしまいます。病院以外で死ぬことも多くあります。身の周りにある土地や建物で今まで多くの人が亡くなっています。自然死、病死、自殺、他殺。それぞれ人に与える心証もが違います。忘れられるまでの時間も違います。そんな取り扱いが難しい心理的瑕疵。実務の場面でどのように考えれば良いでしょうか?

続きは後編でお話させていただきます。

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先日はYouTubeの話をしました。
つい10年ほど前まで多くの方にとってYouTuberは「変わった存在」「物珍しい存在」で有り、同じ動画でもテレビより格下のイメージが否めませんでした。
ところが今では、著名な芸能人がYouTubeで発信することは珍しくありません。軸足をテレビからYouTubeに移す人もいます。知名度もあり十分にテレビ出演で食べて行けそうな彼・彼女らがYouTubeに魅力を感じるのは何でしょうか?それは「自己実現」にあるのではないでしょうか。
YouTubeの世界では本当の自分を発信することができます。

そこに魅力を感じているのだと思います。

テレビの仕事は、テレビ局やスポンサーの意向に基づいてあらかじめ決められた台本等に基づいて行い、一定のギャラをもらいます。
一方、YouTuberは何をやるのも自由。自分の思うままにコンテンツを作り発信することができます。その費用は自前で、再生回数が上がらなければ一円も手にできませんが、再生回数が伸びれば収入は上限知らずの青天井。

歌や演技の実力はある、知名度も高い、そんな芸能人が自分のしたい事をして稼ぐことができるとなれば、YouTubeを利用しない理由が見つからない。

これは芸能人に限らずいえることです。

ここで伝えたいのは「YouTubeを始めよう」という話ではありません。
以前のYouTubeは、テレビ番組の録画やアーティストの動画を見るのがメインのエンターテイメント的な媒体でありました。今は、ビジネスにおいて広告・販促などで積極的に利用され企業や店舗でチャンネルを持つことも珍しくない、そんな媒体へと変化しました。
しかし、すべての人が何か発信したいことがあるわけではありません。

ここで伝えたいのは、会社員という生き方、エージェントという生き方を今一度考えて欲しい、言い換えれば、あなたは自分自身が満足する人生を送っていますか、自己実現ができていますか、ということです。

テレビの仕事が会社員、YouTuberをエージェントに置き換えるとわかりやすいと思います。
会社との契約に基づいて決められた仕事を行いその対価として報酬を得る会社員はテレビの仕事と同じで、どこのエリアでどのような種別の物件を取り扱うかは自由で、経費は自分持ちですが、成約件数が増えればそれに比例して収入は増加する。エージェントはYouTuberと同じです。

テレビは当面なくなりませんし、全ての芸能人がYouTuberになることもありません。
ただその自由さに魅力を感じて働き方を変える人は今後さらに増えていくに違いありません。
これと同じことが会社員とエージェントで起きています。与えられた仕事で安定した収入をもらえる会社員という働き方も悪くはありません。与えられた範疇で、考え、工夫をし、自己実現することもできます。ただひとつ言いたいのは、エージェントという生き方を選択肢として真剣に考えたことがあるかどうかです。語弊を恐れずに端的な表現をすれば、不自由と安定 vs 自由と不安定というこのトレードオフの関係に見える会社員 vs エージェント について真剣に考えて欲しいと思います。自分の仕事に自身のある人ほどエージェントに魅力を感じるはずです。

今、「不自由と安定 vs 自由と不安定」について「トレードオフの関係に見える」と書きました。「見える」と書いた。これには意味があります。それは会社員は決して「安定」ではないからです。エージェント・個人事業主に比べ会社員は安定しているように見えます。しかし、会社の寿命は長くありません。「中小企業白書」のデータ(引用元:http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h18/H18_hakusyo/h18/html/i1220000.html)によると企業から1年後の生存率は約72%、5年では約40%。とても安定してるいえる数字ではありません。規模の大きい会社や上場企業ならば事情が異なりますが、リストラや転籍などがあるので会社が存続しても「あなた」がそこにいるとは限りません。

YouTubeからの反響や広告収入で生計を立てている人が私の周りにも複数名います。
10年前には一人もいませんでした。読者の方も同じような感じではないでしょうか。
エージェントに関してはどうでしょうか。テレビからYouTubeに活動場所を移す人がいらっしゃるように、大企業からエージェントへと働き方を変える人が現れる、10年後と言わずそんな世の中が来るのではないでしょうか。

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今回はYouTuberのお話。
今更YouTuberの話?と言われそうですが、
YouTuberと不動産エージェントには重要な共通点があるので書かないわけにはいきません。
以前のメルマガではclubhouseのことについて触れました。
あの時の爆発的な盛り上がりこそおさまりましたが、今も多くの人が趣味に仕事にと利用活用し、現在のところ音声型SNSとしてTOPの座を保っている、と思います(筆者の個人的感想です)。伸びる市場であることは間違いなく、Twitterが音声チャットルーム「Spaces」を開発、Facebook社も同様のサービスを開発中。「音声型SNS」は一気にその市場を広げ、今後もプラットフォームは増えていくでしょう。最近盛り上がりを見せている音声よりも先に成熟したマーケットとなっていたのは画像とテキスト。こちらは様々な発信プラットフォームが既に複数存在し、中には消えていったものもあります。動画も然り。様々なプラットフォームが存在します。

動画に関してはそのストックにおいてYouTubeが不動のTOPといえます。

数年前に比べてYouTuberの社会的地位が上がったように感じます。
ほんの5~6年前、YouTuberには「変わり者」「目立ちたがり」といったイメージがありました、少なくとも世の中のオジサン達には。主な視聴者層は小学生から高校生、大学生。社会人は、音楽を聞いたり過去のテレビの録画画像等を見ることはあっても特定のYouTuberの投稿作品を見るような人は少人数でした。

ところが最近はどうでしょうか。老若男女のYouTuberが溢れています。
趣味性の高い発信だけではなく、販売促進や営業、自己アピール等にバンバン活用されています。多くのファンを獲得し、そのチャンネルが収益化すなわち広告収入を得ている一般人も珍しくありません。

そんな状況を見て、一気に増えたのが芸能人YouTuber。
ここ数年で急激にテレビ業界からの参入が増えました。こちらも当初は「変わり者」もしくはテレビでパッとしない人がするようなイメージがありましたが、今はそんなことはありません。2020年1月~12月に新規開設されたYouTubeチャンネルの同期間内登録者数ランキング上位10名の内8人は芸能人。佐藤健、手越祐也、仲里依紗、渡辺直美など知名度は高くテレビ業界で十分に稼げている人が名前を連ねています。YouTubeの魅力は収入の話だけではなさそうです。

知名度、仕事、そして(おそらく)十分な収入があり、テレビ業界で居場所を確保できているのになぜYouTubeを始めるのか。その理由はおそらく「自己実現」ではないでしょうか。

テレビの仕事はドラマであれバラエティであれ、内容はあらかじめ決められており出演者は自由に振る舞えない。局が用意した台本、企画に沿って立ち振る舞わなければなりません。他人の指示に従い、収入を得るわけです。

それに比べてYouTubeは自由です。
もちろんYouTubeの規則は守らなければなりませんが、内容もキャスティングも全て自分で決めることができます。自由に作った動画の権利も自分のもの。どこで再生しようと再配信しようと勝手にできます。その上再生回数が上がれば収益になります。しかもその金額には上限はありません。再生されればされるほどに収入が増えます。

好きな事をして収入は可能性無限大。これはやらない理由がない。素人が相当数のアクセスを集めて何千万円も稼いでいるのを見て、知名度のある芸能人がYouTuberになるのは当たり前の流れともいえます。

この流れ、何か不動産エージェントにも通じるものがあるように思えませんか

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「店」を英語ではなんというでしょうか?
一般的にstore(ストア)はまたはshop(ショップ)でしょう。
どちらも「店」なのですが、二つの言葉は少しニュアンスが異なります。ストアはアメリカ英語、ショップはイギリス英語といった違いもありますが、ここで伝えたいのはそれではありません。まず二つの言葉が身の回りでどのように使われているかを思い浮かべてください。(ストア)
ブックストア、デパートメントストア、コンビニエンスストア。「売る」だけの店
(ショップ)
コーヒーショップ、ベーカリーショップ、フラワーショップ、サイクルショップ。

「売る」以外に加工、作成等を行う店

なんとなくイメージは浮かぶでしょうか?言い換えるとこうなります。

(ストア)=商品の仕入れ値と小売価格の差額で儲ける
(ショップ)=付加価値を生み出すことで儲ける

このように書くと、付加価値を生み出す「ショップ」の方が質が高くかつ儲かるようにみえますが、そうとも言えません。付加価値を生むにくい商品も有れば、薄利多売の方が効率がいい商品もあります。
この二つの「店」の違いは、儲かる儲からないではなく、「商品の個別性」にあります。

デパートやコンビニ等の商品は「ストア」では一品一品丁寧に販売してもあまり利益にはつながりません。商品として並んでいるペットボトル飲料やパッケージ入りの惣菜はどれも同じものであり、利益の源泉は如何に安く仕入れるかにあるからです。
一方、ショップで売られるもの、丁寧にドリップしたコーヒー、丁寧に仕込んで焼いたパンは、その「丁寧さ」=「付加価値」が売れ行きに貢献します。

一方、「丁寧さ」で勝負しにくい「ストア」にはスケールメリットを活かしやすいという特徴があります。
たくさん仕入れて仕込み価格を安くする。安く売る代わりにたくさん販売して利益総額を増やす。このアプローチは大企業に有利であり、「ストア」のある業態は競争の激しい市場いわゆるレッドオーシャンになりやすい。

さて、ここからが本題。
不動産エージェントは「ストア」と「ショップ」、どちらを目指すべきか。
もちろん答えは「ショップ」です。

不動産は二つとして同じ商品がない。空き家活用やアパート経営はもちろん、一戸建てやマンション一室を売るためにも他の物件とは違うアピールポイント言い換えれば「付加価値」を見出すことが必要です。
一つ一つの物件に丁寧に取り組む姿勢が成果に結びつく。ショップ型ビジネスとの親和性が高い。

「新しい生活様式」が求められ、今後さらに見えない未来が待っています。

先例のない場面が増えます。
不動産業界では、ますますショップ型ビジネスが求められることになります。

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平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼を申し上げます。

誠に勝手ながら、下記の日程で年末年始を休業とさせていただきます。

 

【休業期間】 令和2年12月29日(火曜日)~令和3年1月4日(月曜日)

       1月5日(火曜日)より通常営業とさせていただきます。 

 

10月1日より本社を下記に移転し業務を開始する運びとなりましたので、ご案内申し上げます。

【移転先住所】   

〒102-0093 東京都千代田区平河町2-16-6 Jevビル3F 
 (東京メトロ「永田町駅」4番出口より徒歩5分)

 ※電話番号は変更ございません。

【業務開始日】   

2020年10月01日(木)

お問い合わせ

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