RE/MAX

2020年2月4日に第二回目となるRE/MAX JAPANA CONVENTIONが大阪で開催されました。当日、北は北海道から南は福岡まで、たくさんのRE/MAX関係者がゲストも含め100名を超える方々が大阪に集結されました。

イベント内では新システムのご説明や新しく提携させていただいた企業様のプレゼンテーション、2019年度の加盟店、エージェントの実績の表彰式など盛大に行われました。

新型コロナウイルスが猛威を振るっています。この原稿を書いている時点でも、コンサートやイベントの中止が相次ぎ、全国の小中学校に臨時休校が要請されるなど日本経済に大きな打撃を与えています。

また世界的にみても、南極大陸を除く世界5大陸で発症が見られ、ニューヨーク株式市場が暴落するなど、その影響が広がっています。そんな新型コロナウイルスですが、パンデミックやパンデミック防止対策により引き起こされる経済危機に不安を覚える人が多い一方、感染症そのものはそれほど怖がる必要はないという意見もあります。

過度に恐れる必要がないという人の根拠は、「確率論で考えれば交通事故の方が命の危険がある」「インフルエンザの方がより多くの死者が出ている」といった比較論から、「死亡者は特定疾患を持つ人及び高齢者に限られている」といった感染症のリスクを考えてのものまで、様々です。それらの妥当性については、専門的知識を持ち合わせているわけではなく本メルマガの趣旨とも違うので掘り下げることはしませんが、少なくともある時点において、妥当性のある意見であったように思います。(本メルマガ配信時点ではどのような扱いとなっているかはわかりませんが……)

多くの方にとっては身の回りに感染者がいないにも関わらず、日本中が新型ウイルスの話題で持ちきりとなり、外出を控える人が増え観光地は閑古鳥、マスクは売り切れ高額で転売される始末。なぜこのようなことになったのでしょうか?様々なことが絡み合っての結果でしょうが、一つ理由を挙げるとするならばそれは「命に関わる恐怖」かつ「未知なるものへの恐怖」です。(この記事を書いた時点では)

新型コロナウイルスはそれほど多くの方が亡くなってはいません。一方、インフルエンザは年間3,000人以上、ピーク時には日本全体で一日数十人が亡くなっていますが過度に怖がる人はおらず、感染者数が多い年でも社会がパニック状態にはなりません。それは、インフルエンザのことをよく知っているからです。

かかればどうなるか身を以て知っている人が多いのはもちろん、インフルエンザにかかったことがない人であっても、身の回りでインフルエンザにかかった人がどのようになったか(多くは会社を数日間休む程度で済んでいるでしょう)を知っている。「知っている」から怖くない。それに対し新型コロナウイルスは、その正体が良くわからない。

よって、マスクによる予防効果は限定的と言われてもマスクを買い占め、武漢の場所もよくわからず(北京や上海等の沿岸部大都市からは遠く離れている)に全ての中国人を避けようとしたりします。正体がよくわからないものは、その対象をよく知ろうとせず「とりあえず避けておいたほうが無難」と行った行動になりがちです。確かによく知らないものを情報収集し考え判断し自ら責任持って行動するよりも避けたほうが無難で効率が良い。

東日本大震災の際の原発事故の風評被害なども同じといえます。人は、既知の事象に対するリスクには寛容で、知らないものに対するリスクには過敏になります。少し前置きが長くなりましたが、不動産の取引においても同じようなことがあります。

わからないリスクは避けようとします。さて、どのようなものがあるでしょうか?

続きは後編でお話しさせていただきます。

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新型コロナウイルスが社会に大きな影響を与えています。
抑制対策で学校が休校になり、大きなイベント類は中止。大企業を中心に自宅待機者が増え、マスクやトイレットペーパーなどの買い占めをされる一方、観光地や繁華街を中心に外出する人は激減しています。
少なくとも、この原稿を書いている時点ではそれほど多くの死者が出ておらず、被害規模だけで言えば毎年のインフルエンザの方が桁外れに大きな被害が出ているにも関わらず、このような状況です。

筆者は伝染病については門外漢であり、あくまで個人的な感想としてご容赦願いたいのですが、今回の事態から学び取れるのは「人はよくわからないリスクは避けたがる」ということです。
これは不動産取引にとっても当てはまります。

不動産には多かれ少なかれメリットとデメリットが共存しています。
特に一定の予算で物件を探す場合は、デメリットのない物件などはなく、メリットデメリットはトレードオフとなります。
駅に近いけれど面積が狭い、築年数は新しいが駅から遠い、といった具合です。

ここで例に挙げた「面積が狭い」「駅から遠い」等は、どのような不利益があるかがわかりやすく「多少不便ではあるがメリットもあるので購入しよう」といった決断がしやすい。金額換算しやすいといっても良い。
10平米狭いが500万円安い、駅から5分遠いが300万円安い、などと考えることができす。

これに比べて耐震性能や水害の危険、活断層の存在などはどのような不利益がどの程度あるのかがわかりづらい。
いずれも数値で表したり地図上で図示することは可能ですが、自分にどのような不利益があるのかがわかりづらい。
どの程度の地震でどうなるのか?どの程度の雨や台風が来たら災害に遭うのか?その時に被る被害はどのようなものなのか?がわからない。ただ確実に言えることは最悪の場合、居住者の命が奪われる可能性がある、ということです。

この「命が奪われる可能性がある」という点は、「面積が狭い」「駅から遠い」といったデメリットとは大きな違いがあります。
たとえそれが可能性としては相当に低いものであっても、命に関わる且つ情報が少なくよくわからないリスクなら避けたほうが無難、となるわけです。命を脅かすようなことが起きる確率は、活断層の上に建つマンションや豪雨時に浸水の恐れがある一戸建てよりも、前面道路の交通量が多いマンションや消防活動が行いにくい路地奥の住宅のほうが高いと思いますが、多くの人は活断層上や浸水エリアの物件を避けます。
これはインフルエンザよりも新型コロナウイルスを恐れる心理に似ています。

不動産、とりわけマイホームは金額的に大きな買い物で有るだけではなく、生活のベースとなるもので有り、そこには絶対的な安全・安心が求められます。
「面積が狭い」「駅から遠い」等の不自由は我慢ができても命に関わるようなリスク、特によくわからないリスクは完全に避けたいと思うのが人情です。そのようなリスクを過度に嫌悪する人に「活断層より交通事故の方が怖いですよ」といってもあまり意味はありません。そこは理屈ではないからです。

エージェントとして取るべき行動は、まずはお客様の気持ちに寄り添うこと。
たとえ発生する確率が低くとも、お客様がそのリスクに嫌悪や恐怖を感じるのならばその物件は見送った方が良いでしょう。
一方、正しくリスク開示をした上で、お客様が「他の人が敬遠するためお買い得」と感じるならばオススメするのが良いでしょう。

エージェントにとって大切なのは、経済的に正しい選択肢ではなく、お客様にとって正しい選択肢を選んでもらうこと。
より安くより機能的な衣服や、栄養が行き届いて安価な食事だけ選ばないのと同じであり、マイホームも理屈だけで選ぶわけではありません。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。

「サブスク型住居サービス」をご存知でしょうか。
ここ一年ほどでサービスが増えてきましたので聞いたことのある方も多いと思いますが、
サービスを利用したことのある方はまだ少数派と思います。

念のため「サブスク」から説明をしてまいります。

「サブスク」とはサブスクリプションの略で会員制の定額サービスのこと。
それ自体は特段新しいものではなく昔からあります。ガラケー全盛の頃に流行した「着メロ着うた取り放題等のサービスもサブスクですし、有料衛星放送のWOWOWもサブスク。
考え方によってはNHKだってサブスクモデルと言えます。

あらためてサブスクと騒がれ出したのは音楽ストリーミングサービスのSpotifyや雑誌読み放題の楽天マガジンなどが認知され始めた頃からのように思います。
今年に入ってからはトヨタが「愛車サブスクリプションサービス」を始めたことも話題となりました。

そのようなサブスクモデルがここに来て住宅市場にも影響を与え始めています。

大きく話題となったのは月額4万円で住み放題で利用できる「ADDress(アドレス)」。
定額料金で住み放題というのもインパクトがありましたが、全国の空き家を利用するということで社会課題の解決にもなり得るビジネスとして注目されました。
他にも国内にとどまらず世界各国でサービスが享受できるHafH(ハフ)、法人向けプランを持つ「Hostel Life」等、それぞれに特徴があります。
今後も更に増えていくでしょう。

建物への宿泊が定額で可能となる「サブスク型住居サービス」、先程のWOWOWの例同様、仕組みとしては昔からリゾート施設の提供の形としてよくある形です。
今までと違うところといえば宿泊日数の多さ(既存のサービスは年間●泊等が主流)と金額の安さ。仕組みの根本はそれほど注目に値しません。

注目すべきは「サブスク」という手段ではなく、その目的がリゾート・余暇から日常生活に変化したことでしょう。

さて、この「サブスク型住居サービス」今後の賃貸仲介業界にどのような影響を及ぼすのでしょうか?
続きは後編でお話しさせていただきます。

(参考リンク)
OYO LIFE
https://www.oyolife.co.jp/
ADDress
https://address.love/
ホステルライフ
https://hostellife.jp/
クロスハウス
https://x-house.co.jp/
HafH(ハフ)
https://hafh.com/ja/

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マーケットシェアはまだそう大きくはありませんが今後増えていくに違いないサブスク型住居サービス。

不動産仲介業界はこれによってどのように変わるのでしょうか?

「今後は多くの人がサブスク型住居を選択。賃貸物件の多くはサブスク型住居運営事業者に取り込まれてしまい、不動産賃貸仲介業は先細っていく」。そんなシナリオは考えにくい。。。

貸主借主が直接契約するようなCtoCビジネスが台頭し、不動産仲介業者が活躍できる市場が幾ばくか縮小するようなことはありえますが、サブスク型住居サービスが既存の賃貸不動産マーケットに大きくとって変わられることはないでしょう。

例えば事務所に行かずとも働けるテレワーク。

これが進んだとしてもそれは通勤に縛られることがなくなるだけの話で、すぐに他拠点居住には結びつきません。

「通勤圏」以外に居住できる選択肢が増えても複数拠点に住む必要はありません。

また、通勤以外にも「エリアに縛られる要因」は多くあります。

お子さんがいらっしゃれば学校への通学、商売をされていると店舗の運営。

むしろ多拠点居住を望まない人方が多数派と言えます。

しかし、サブスク型住居は今までになかった日常生活を対象としたサービス。

一般的な賃貸物件と比較して、月額賃料の多寡よりも初期コストが軽減されるインパクトが

大きい。

また「家財道具不要」等のオプションも豊富。一定の大きさのマーケットに育つ可能性は高くなります。

例えば親の面倒を見るために週末実家に戻る人。親に気を遣わせず、家族を連れていくために実家近くに住居があると都合が良い。また、引越し検討者のお試し居住。会社の休みに見学に行くだけではなく、実際に寝泊まり通勤をしてみて複数エリアを比べるために複数エリアに住んでみる、というニーズもあるでしょう。

リゾート・観光目的ではなく「暮らす」ということに注目すればサブスク型住居のマーケットはとても面白い存在となります。

そのようなことがイメージできればその延長線上に、知人同士が物件を出し合って複数物件における「サブスク型住居サービス」を提供する、友人と一緒に1物件を借りてシェアする、等の色々なバリエーションが思い浮かびます。

このような個別性の高い提案が可能なのは会社組織に属しておらず、顧客に寄り添った仕事ができるエージェントの得意にする分野であるように考えます。

昨年は、関西は多くの災害に見舞われました。
大阪府茨木市・高槻市界隈を震源とした地震に始まり、鴨川流域の京都市中心部にも避難指示が出された豪雨、猛暑の中エアコンを節制し亡くなった高齢者もいらっしゃいました。
そして一時は関西国際空港とのアクセスができなくなるなど南大阪を中心に大きな爪痕を残した大型台風。

筆者が関西在住であり幾分エリア的に偏った事例をあげてはいますが、昨年は全国的に見ても多くの災害が起きました。
「平成時代の最後の年」は決して「平静」とはいえない状況でした。

1日にして建物が傾き、水浸しになり、あるいは倒壊・損壊する。自然災害は不動産という資産にとっては大変な脅威です。大災害に見舞われずとも、「小さな災害」でも修復には手間やコストがかかり、所有者には頭が痛い話です。
また、不動産は読んで字のごとく動かすことができない。
「このあたりは災害の可能性が高いから別の場所に移ろう」といったことはできず、売却して買い換えるしかありません。
不動産は動きませんが、皮肉なことに人は動きます。そう、投資用不動産であれば、移動してしまうのは賃借人です。オーナーにとっては、泣きっ面に蜂となります。

そこで不動産を買うときには、どのような自然災害のリスクがあるかを考えることが必要となり、エージェントにも自然災害リスクに対する知識が必要となります。

しかし現在の重要事項説明の項目は、それらのリスクに対する説明が網羅されているとは言い難い内容です。
記載されるのは主だったところで「造成宅地防災区域内の宅地か否かの説明」「土砂災害警戒区域内の宅地か否かの説明」「津波災害警戒区域内の宅地か否かの説明」等の「各種法令で指定された区域内にあるかどうか」の説明をすることのみ。
砂防法、河川法、森林法等にいたっては、不動産事業者であっても「実務的には関わったことがない」という人も多いでしょう。
そういったことから、これらの各種法令については「区域内か否か」の告知が義務であり、実際にどのような被害があったかやどの程度被害が起きそうなのかは説明義務がありません。

正確には、「●年前に床下浸水があった」というような具体的な被害があり、そのことを売主から聞いていた場合には、エージェントは買主に伝える必要があります。
しかしこれは「災害リスクの開示」ではなく、「以前この部屋で自殺があった」などと同様「知り得た事」としての「告知義務」です。

いくつかの法令を挙げたましたが自然災害は他にもあります。
地震による被害では「活断層の有無」「液状化の可能性」「津波の危険性」などが挙げられます。台風や梅雨時の大雨では「堤防決壊による浸水」、夏のゲリラ豪雨による都市部の冠水……。
「そういったものを全部調べることなんて不可能!」という声も聞こえてきそうです。
確かに、これらすべてを詳細に調べるのは骨が折れます。お客様によっては全く気にしない方もいらっしゃいます。
さて、実務的にはどう考えればいいでしょうか?

続きは後編でお話しさせていただきます。

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昨年は災害の多い年でした。猛暑、台風、大雨、地震等々。
ちなみに2018年の「今年の漢字」は「災」でした。

不動産購入時、多くの人は「地震の時に建物は大丈夫だろうか?」「台風で川は決壊しないだろうか?」「津波が起きたら浸水しないだろうか?」等、様々な自然災害リスクに対して不安を感じます。ましてここ最近の自然災害の多さ。気になる人が多いのもうなづけます。

しかし、不動産購入時に受ける重要事項説明はそれらをすべてを網羅しているわけではありません。考えうるすべての自然災害リスクを説明されても、それはそれでションボリとしてしまうかもしれなませんが、知らない・わからないというのもまた不安。

その辺り、実務上はどのようにバランスを取っていくのがいいのでしょう?

1、ハザードマップは開示する
まずは、重要事項説明書への記載の有無は別として、ハザードマップはお客様に開示するべきです。ハザードマップには主に、洪水・津波・土砂災害発生時に想定される被害が記載されています。

エリアによってはお客様に開示したくない場合もあるかもしれませんが、ハザードマップを見れば明らかに災害時の被害が大きいエリア、例えば周囲のエリアのほとんどが「洪水によって想定される浸水深0.5m未満」であるのに対し当該地が「5~10m」である場合などは、たとえ過去に浸水被害がなかったにしても信義にもとります。

また、ハザードマップ以外にも活断層マップや液状化マップなども公開されています。

実際に災害が発生した時の避難場所・経路等が記載された防災マップも合わせて紹介するようにしたいものです。

2、不動産価格の妥当性を説明する
リスク開示すると「そんなリスクのある不動産ならば、この金額は高いのではないか?」と思うお客様もいるでしょう。が、そうではありません。「リスクがあるから、その価格」なのです。

ハザードマップはWEBサイトや市役所等で簡単に見ることができるオープンな情報です。
よって、不動産価格はそのようなリスクも反映された金額と考える方が妥当です。
郊外の取引の少ないエリアならともかく、たくさんの不動産が取引されている都市部において、すべての買主が災害リスクを知らされずに不動産を購入しているとは考えにくく、どのような不動産も活断層の存在や堤防の決壊リスクを織り込んだ価格となっています。
「このようなリスクがあるのに、この価格(は高い)」ではなく「このようなリスクも含んでこの価格」なのです。

3、どうしても避けたいリスクかを共有する
すべての災害リスクが完全に排除された不動産はありません。地震、津波、洪水、土砂崩れ、誰だって災害は怖いし遭いたくありませんが、「どの災害も全く影響がない」という不動産は稀です。

高台にあり津波の危険性がなくても土砂崩れがあるかもしれません。

平地にあっても排水の処理能力が低くてゲリラ豪雨による浸水被害を受けるエリアもあります。

少し乱暴な言い方ではありますが、「災害に対して100点」という不動産はありません。

これは住宅を選ぶ際に「100点の住宅はない」というのと同じ。住宅選びで迷わないためには、駅近、広さ等、いちばん譲れないポイントを決めるのが良いですが、自然災害リスクに関しても同じことが言えます。

「これだけは避けたい」という部分を決めれば、案外と気が楽になります。

地震の被害にあった経験のある人で地震に対して恐怖心がある人は活断層に近い物件は避けるべき。

津波や洪水も然り。中には「地震や洪水なんてそうそう起きやしない」と考える人もいるでしょう(実際、そうであるともいえます)。

そういう場合は、大災害よりもゲリラ豪雨による道路冠水等、頻繁に起きそうな災害を避ける方が合理的です。


リスクマネジメントで大切なのは、どのようなリスクがあるかを把握すること、そして事前に対策を講じて発生時の損失を抑えること。これは自然災害とて同じ話。

エージェントとしては、リスクを開示するしないと言ったレベルの低い話ではなく、リスクにきちんと向き合いお客さまと一緒に「リスクマネジメント」をするくらいの気概で不動産に取り組み、お客様の信頼を勝ち取って欲しいものです。

 
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。

「平成が終わる。」
この原稿を書いている時点では新しい元号はわかっていませんが、メルマガが皆さんの手元に届く頃には新元号となっています。
今月は、不動産業界目線で約30年間の平成を振り返りたいと思います。

平成はヘイセイであり平静と同じ音。
しかし、その穏やかな語感とは裏腹に、世の中の動きはその波乱万丈な30余年でありました。

平成の始まりは、不動産業界に従事していない方でもそのイメージは「バブル」でしょう。
昭和60年代から平成元年にかけて不動産価格は急騰。新築マンションは抽選で購入もままならず、引き渡し前に転売したり中古の方が高かったりと大変景気が良い時代です。
それなら数年前までのタワーマンションの売れ行きと変わらないのですが、当時と今で大きく違うのは「郊外不動産の価格」と「宅地・一戸建の価格」も高騰したことです。
都心部の不動産が高騰しているのはリーマン前も今も同じですが、バブル当時は都心部はもちろん、郊外のバス便ニュータウンなどの価格も都心では高くて買えないため購入希望者が殺到して高騰。
今では考えられませんが、大阪市内勤務者の「マイホームエリア」は、北は滋賀県の野洲・守山、西は兵庫県加古川市、南は和歌山県岩出町、東は三重県名張市まで伸びました。

バブル崩壊は平成3年(1991年)に訪れました。
崩壊に至る経緯等については書籍等で色々調べることができますが、そのキッカケが平成2年(1990年)から平成3年(1991年)にかけて行われた総量規制であることはほぼ間違いありません。
総量規制とは、簡単に言いますと当時の大蔵省によって行われた土地関連融資の抑制。不動産融資の伸び率を総貸出額の伸び率以下に抑えるという通達が出され、景気は一気に収縮。
その後は「失われた20年」となりました。

バブル景気とバブルの崩壊で波乱の幕開けとなった平成ですが、その後未曾有の災害が起きました。
平成7年(1995年)の阪神淡路大震災です。

それまで、関西人の多くは「地震は関東のもの」「関西では地震は起きない」と思っていました。実際に、当時大阪で揺れを感じた方の多くは「自分の場所が震源地」と思っていました。
テレビで映し出される映像も、地震が起きた直後は「被害を受けた新大阪駅」等が映し出されるばかりで、甚大な被害を被った神戸の報道がなかったことを今でも覚えています。

不動産売買契約には危険負担についての取り決めがあります。
「本物件の全部又は一部が、天災地変その他当事者の責めに帰さない事由により、滅失又は毀損した時は~」というモノです。
契約書の読み合わせでは「あるはずのない事」として読み流す方も多い条項ですが、大変不幸な事に、阪神淡路大震災の時には記載事項が現実のものとなってしまいました。

阪神間を中心に多くの木造住宅や集合住宅が破損し、その程度によって「一部損壊」「半壊」「全壊」と区分され罹災証明が発行されました。
この被害を受け、平成12年(2000年)には建築基準法が改正。
木造住宅の耐震基準をより厳しく、具体的には「地耐力に応じて(布基礎、ベタ基礎等)基礎を特定」「構造材の場所に応じて継手等の仕様を特定」「耐力壁の配置にバランス計算の必要」と取り決めました。
また、平成14年(2002年)には被災後のマンションの建て替えに関する法律「マンションの建て替えの円滑化等に関する法律」が制定されました。

阪神淡路大震災のような天災が建築基準法改正のキッカケとなることは過去にもありました。例えば、昭和56年(1981年)の改正、いわゆる旧耐震から新耐震への改正のキッカケは昭和53年(1978年)の宮城県沖地震です。
ところが、天災ではなく「人災」として建築基準法改正のキッカケとなる事件が起きました。
平成17年(2005年)に発覚した耐震偽装問題です。

耐震偽装問題とは、一級建築士が構造計算ソフトの計算結果を改竄して構造計算書を偽装、それを行政や指定確認検査機関が見抜けずに建物の建築確認をおろしてしまった一連の事件を指し、いくつかのマンションは耐震強度不足で建て替えを余儀なくされました。
この問題を受けて建築基準法は平成19年(2007年)に改正、建築確認や工事検査の運用が厳格化され、これにより建築確認取得までの期間がそれまでの3週間程度から数ヶ月に遅延。建築業界が不況に陥るキッカケとなりました。
しかしこのあと、さらなる不況への引き金となる事件が起きます。

続きは後編でお話しさせていただきます。

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前回に続き不動産業界目線で平成を振り返る。耐震偽装問題から。。

耐震偽装問題で不動産業界が揺れたのは平成17年(2005年)。

当初は「アネハ事件」として、あたかも姉歯という一級建築士による個人的な犯罪として見られていましたが、その後組織的な関与が疑われたり別の事業者による事件が発覚するなど、

業界全体の構造的な問題として捉えられるようになりました。

結果として平成19年(2007年)に建築基準法が改正され、業界は不況に襲われました。

が、これはその後に業界に襲いかかるバブル崩壊時以上ともいえる事件からみれば序章のようなものでした。

「リーマンショック」です。

平成20年(2008年)に起きたリーマンショックと呼ばれる金融恐慌は、その前年に

アメリカで起きたサブプライム住宅ローン危機からの一連の出来事。

しかし、国内不動産市場への影響が大きかったのはサブプライムではなくリーマンでした。

レイコフ、スルガコーポレーション、ゼファー、創建ホームズ、新井組とアーバンコーポレーション……。

上場する不動産会社やゼネコンが次々に倒産、不動産業界に身を多く者としては将来どうなるのか見えない極度な不安感に襲われたのを覚えています。

ちなみに平成の間で最も上場企業の倒産件数が多かったのが平成20年(2008年)で33件。翌年平成21年(2009年)と合わせて2年で53件が倒産。

これは平成元年(1989年)から平成10年(1998年)の10年間の件数(44件)をはるかに上回ります。(注:倒産件数は平成30年12月31日迄の数字)

なんだか暗い話が続きますが、現実にこの時期の不動産業界は暗い時期で、徐々に相場は持ち直していきましたが、リーマンショックから3年、ようやくその影響が薄らぎ回復の兆しが見え始めた平成23年(2011年)に東日本大震災が起きます。

津波の被災地はもちろん、首都圏でも湾岸部を中心に液状化等の被害に見舞われ、日本中が、リーマンショックとは比較にならない程の暗澹たる空気に包まれます。

しかし、結果として東日本大震災直後が不動産景気の折り返しとなりました。

被災した住宅や社会インフラ等の復興特需はもちろん、原発事故からの反動による太陽光発電ブーム、そしてオリンピックに向けての建設ラッシュが重なり、建築業界の景気が先立って回復。住宅不足をきっかけとした賃貸住宅の空室率の低下などから不動産業界も、結果として、回復へと向かっていきました。

「結果として」と書きましたが、当時はほとんどの方が「ここが不動産の底だ」などとは思っておらず、当時は建築費の高騰によりむしろ不動産市況は悪くなると考えられていました。

その後、「タワマン節税」などが流行り言葉となり都心部のタワーマンションが売れに売れ、アパート建設が大ブームとなりハウスメーカー等が収益を伸ばし、平成27年(2015年)の外国人観光客激増を引き金とした民泊ブームから宿泊施設絡みの不動産取引が激増。

バブル以降はパッとしない時期の長かった不動産市況が久々に活気を戻したと思っていたところ平成29年(2017年)の末に「2019年4月に天皇退位」、平成が終わるというニュースが流れました。

ざくっと、思いつく限りで「平成不動産業界の流れ」を書きましたが、読み返すと色々と書き漏れも発見。

昭和の時代にはなく事業用不動産の価格高騰の後押しとなった不動産証券化、

またRE/MAXを日本に持ち込んだRE/MAX JAPANの元CEO_である故池添吉則氏が先駆者となった定期借地権と不動産オークションも平成時代に生まれた仕組みです。

何度も目にして辟易としている方もいるかもしれませんが、今回は「平成最後のメルマガ」。

2回にわたって平成の不動産業界を振り返りましたがいかがでしたでしょうか?

全く「ヘイセイ」ではなかった平成時代。本当に色々なことが起き、不動産業界を取り巻く状況は30年間で大きく変わりました。

では次の30年間はどんなことが起きるのでしょうか?

残念ながら、その答えは誰にもわかりません。しかしただ一つ確実に言えることがあります。

それは昨年のダボス会議でカナダ首相ジャスティン・トルドー氏が言った次の言葉です。

『今ほど変化のペースが速い時代は過去になかった。だが今後、今ほど変化が遅い時代も二度とこないだろう。』

なんとも言い得て妙。これからは変化が遅くなることはない。

変化に対して機動的に対応できるかどうかが成功の鍵。国家よりも企業、企業よりも個人が活躍できる時代といっても良い。

RE/MAXでは、次の30年も変らずに、活躍する個人を応援する仕組みを継続したいと思います。

 
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。

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