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〔コラム〕~少子高齢社会への移行とエージェントがすべきこと【前編】

ネットで面白い記事を見ました。廃校となった小学校の活用事例の話です。

神戸市内の廃校となった小学校校舎をリノベーションした複合施設「NATURE STUDIO(ネイチャースタジオ)」が完成・オープンしました。地元の工務店と卒業生がタッグを組んで作った施設で、体育館がフードホールになり、そこでは給食室で作られたクラフトビールが味わえます。校庭の池で釣りができたり、理科室や図書館があった校舎に水族館ができたりと、子供はもちろん、大人も「小学校に対するノスタルジー」を存分に感じながら楽しむことができる施設です。

筆者はまだ現地を訪れていませんが、記事を読んでいるだけで、ワクワクします。

さて、この素敵なリノベーション施設。
その所在地は先にも書きました様に神戸市内なのですが、一体どんな場所かと思って見てみると、それが結構、驚きの場所でした。

施設は神戸市立湊山小学校の跡なのですが、JR三ノ宮駅から直線距離で3km程度しか離れていない都心部でした。不動産物件表示的にはJR線「神戸」駅徒歩27分、神戸市営地下鉄西神・山手線「大倉山」駅徒歩18分、神戸市バス「石井橋」停徒歩1分(三宮駅から21分)といった場所です。決して「駅近」ではありませんが不便・暮らしにくい場所ではありません。

廃校を活用した案件は珍しくはありません。

例えば大阪市内や京都市内の中心部の小学校などは、統廃合を繰り返し、使われなくなった小学校が地域のコミュニティスペースなどとして利用されています。
しかしこれは超都心部の商業地の話。かつて「ドーナツ化現象」と呼ばれ、都心部から郊外ニュータウンへと人が流れ都心部が空洞化、それを受けて小学校が余ったりしました。しかし、今は都心回帰となって久しく、大阪も京都も今では都心部の児童が増え新たな小学校の建設をしている場所もあります。首都圏についてもこの流れは同じです。

ですが、そのような都心商業地以外での廃校利用の事例は、山間部や離島などの過疎地、もしくは一気に人口爆発をしたニュータウンなどに偏っていました。それが今回は過疎地域でもニュータウンでもない、しかも神戸市という政令指定都市の住宅地であることが印象的です人口減社会は「郊外の過疎化」のフェーズは終わり「都市部の過疎化」へと移ったことを実感します。以前にテーマとしてあげたこともありますが「スポンジ化現象(*)」です。

(* 都市の大きさが変わらずに人口が減少、使われない空間が小さい穴があくように生じ、都市の密度が下がっていく現象を指します。)

もちろん個別要因での説明は可能です。

こちらの施設のすぐ近く、100m程度の場所に神戸市立の小学校があり、もともと「小学校過多」だったのかもしれません。

しかし今回のニュースのような事例は都市部でもどんどん増えていくでしょう。

人口の減少これからはどの様なエリアであっても空き家・廃屋が増えていきます。原因は人口減少だけではありません。少子化の影響も大きい。正しい解釈をすれば、小学校が無くなるのは人口が減ったからではなく小学生が減ったからに他ならない。

面白いリノベ施設ができましたという明るい記事の裏にある暗い現実。

不動産エージェントとしてはビジネスチャンスでもあります。さて何がでしょうか?

続きは後編でお話させていただきます。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。

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