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〔コラム〕~2022年問題に備える【前編】

2022年の幕開けとなりました。
構成する数字は(0以外は)全てが2。2月2日や2月22日に入籍や会社設立する人も多いでしょう。ゾロ目はなんとなくおめでたいイメージがあり、「2」もなんとなくいい数字です。しかしこの2022年、「問題がある年」と言われています。2022年問題です。

そういえば昔、「2000年問題」が騒がれたことがあります。
2000年になるとコンピュータが誤作動する懸念です。対応に追われた方も多くいらっしゃったと思いますが、それほど大きな問題とならなかったと記憶している方が大半でしょう。
IT関連では2022年問題(*)も注目されていましたが、こちらも関連業界の方は別として一般の人にとってはそれほど話題になっていません。
(*2022年問題:Microsoft Exchange Serverのプログラム上で、2022年になると日付情報が不具合を起こしメール配信が正常に動作しなくなる問題)

そんな話はさておき、不動産業界において気になる2022年問題。
それは、生産緑地に関する話です。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、この2022年問題を簡単にまとめておきます。

簡潔にいいますと2022年に多くの生産緑地が一斉に指定を解除され、大量の宅地が市場に供給される」という問題です。生産緑地とは生産緑地法に基づいて指定を受けた土地のことで、その指定を受けると地主は農業を営むことが義務付けられる一方、固定資産税の減免や相続税の納税猶予などの税制猶予を受けられます。

この税制優遇を受けるために生産緑地の指定を受けた地主が多いのですが、問題なのは指定を受けた時期と生産緑地の期間。生産緑地法が改正されたのが今からちょうど30年前の1992年現在3大都市圏にある生産緑地の約8割がこの1992年の改正時に指定を受けたものと言われており、今年がちょうど30年目。一方、生産緑地の期間の満了は指定後30年を経過した時点。すなわち今年、大量の生産緑地が期間を満了することになります。

どの程度「大量」かは、三大都市圏の都市圏だけで約13,000ヘクタール(2014年末)もの生産緑地があることでおわかりいただけるでしょう。

手続きとしては30年経過後、直ちに指定解除となるわけではありません。
まずは市区町村への買取申出等の手順を経ることになります。一部は市区町村が買い取ることもあるでしょうが、財政難で公有地を売却する行政が多い中、それは極々一部に限られるでしょう。結論、多くの土地が市場に出るのは明らかです。

2022年問題で大量の土地供給がされることにより、新築アパートや分譲マンションが大量供給されることになるのは明らかです。
なぜなら、生産緑地はその広さが500平米以上。今は市町村が条例を定めることで300平米以上にまで緩和されましたが「2022年問題」で市場に出てくる土地は500平米、約150坪。
都心部においては一件の一戸建てとして処分されることは少ない。仮に容積率200%とすれば500平米×200%=300平米で延べ床面積300坪の建物が建ちます。有効率(専有面積の合計値の延床面積に対する比率)を80%、一住戸あたりの面積をアパート45平米、分譲マンション70平米とすれば、アパートなら約9戸(500平米×80%÷45平米)、分譲マンションなら約6戸(500平米×80%÷45平米)の住宅が供給されます。一戸建てなら4~6戸。

実際には「6戸の分譲マンション」はないでしょうが、どの程度の住宅ができるかの目安にはなります。

さてこの2022年問題。不動産エージェントにとってどの様な意味があるのでしょうか?

続きは後編でお話させていただきます。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。

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