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〔コラム〕~一括査定サービスは必要か?【後編】

複数の会社に一括で査定依頼できる一括査定サービス
一社一社連絡先を調べて概要を伝えることを考えると、手間は軽減できます。うまく使えば便利なツールですがメリットばかりではありません。

一括査定サービスのデメリットは何なのでしょうか?

一括査定サイトにおける一番の「勘違い」は「査定価格の一番高い会社」が一番いい会社と思って依頼してしまうことです。一番高い会社に頼むな、という意味ではありません。問題は、一番高い査定を出した会社が一番高く売る会社ではないということです。3ヶ月間市場で売却活動をすれば売れる価格を査定価格とする場合が一般的ですが、全ての業者がその基準で出してくるわけではありません。「うまくいけばこの価格で売れるかもしれない」「多少時間はかかるが売れると思われる価格」で提示している会社もあるでしょう。低い金額を出した会社も「多少時間がかかっても構わないとすればいくらが妥当ですか?」と聞けば同じような金額が返ってくるか可能性はあります。

またあってはいけないことですが、高めの査定を出してまずは媒介取得を目指すと言うスタンスの会社も存在します。一括査定サービスの多くは「問い合わせ課金」。媒介を取得できようができまいが問い合わせを受けた時点で経費が発生します。問い合わせを受けた会社は媒介を取り成約させないことには経費倒れとなるため、多少高い金額を提示してでもお客様の気を引こうとするのも仕方ありません。

ただ、高い査定価格が一番確からしいケースもないわけではありません。
例えば、査定対象が特殊な案件でありニーズをつかめていない会社が保守的な査定結果を提示しているのに対し、物件特性を十分理解し顧客を正しく想定できている会社が高い査定を提示するというケースがないわけではありません。

もしエージェントとしてお客様から一括査定サービスの評価を聞かれたらこのように答えるべきです。

「一括査定サービスでは査定価格以外を見てください」

繰り返し書きますが査定価格はあくまで査定
買取価格ではないので査定会社はその数字に何らコミットしません。大切なのはその査定価格を導き出した根拠、そして査定価格で売却するための具体策です。査定金額は高い安いが問題ではなくそれが確からしいか。またそれが確からしい数字でも具体策がなければ売れない。その売り方は効果があるのかないのか。その辺りをしっかりと見極めることができれば一括査定サービスをうまく利用できると言えるでしょう。

しかし、査定根拠や販売活動を一般の方が評価・確認するのは難しい。

その補助・助言をするのが不動産のプロ、エージェントの役目です。

「でも、そんなことしても仕事にならないのでは?」と言う向きもあるかもしれませんが、それは心配無用。このような相談を顧客から受けることで、他社の査定や売却手法をじっくりと見ることができます。それを受けて、自分の方がよりお客様のためになる提案ができるのならばそうすれば良い。

一括査定サービスの利用について相談されたときは、このようなメリットデメリットを説明した上で「一度使ってみればどうですか?査定結果をこちらで拝見の上ご説明しますよ」と言えば良い。「あのサービスは良くない!」とネガティブな説明をするよりもお客様との距離は縮むでしょう。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。

*本コラムは、RE/MAX JAPAN のメルマガで配信した内容を基に掲載しております。
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