「店」を英語ではなんというでしょうか?
一般的にstore(ストア)はまたはshop(ショップ)
でしょう。
どちらも「店」なのですが、
二つの言葉は少しニュアンスが異なります。
ストアはアメリカ英語、
ショップはイギリス英語といった違いもありますが、
ここで伝えたいのはそれではありません。まず二つの言葉が身の回りでどのように使われているかを思い浮か
べてください。(ストア)
ブックストア、デパートメントストア、コンビニエンスストア。「
売る」だけの店
(ショップ)
コーヒーショップ、ベーカリーショップ、フラワーショップ、
サイクルショップ。
「売る」以外に加工、作成等を行う店
なんとなくイメージは浮かぶでしょうか?言い換えるとこうなります。
(ストア)=商品の仕入れ値と小売価格の差額で儲ける
(ショップ)=付加価値を生み出すことで儲ける
このように書くと、付加価値を生み出す「ショップ」の方が質が高くかつ儲かるようにみえますが、そうとも言えません。付加価値を生むにくい商品も有れば、薄利多売の方が効率がいい商品もあります。
この二つの「店」の違いは、儲かる儲からないではなく、「商品の個別性」にあります。
デパートやコンビニ等の商品は「ストア」では一品一品丁寧に販売してもあまり利益にはつながりません。商品として並んでいるペットボトル飲料やパッケージ入りの惣菜はどれも同じものであり、利益の源泉は如何に安く仕入れるかにあるからです。
一方、ショップで売られるもの、丁寧にドリップしたコーヒー、丁寧に仕込んで焼いたパンは、その「丁寧さ」=「付加価値」が売れ行きに貢献します。
一方、「丁寧さ」で勝負しにくい「ストア」にはスケールメリットを活かしやすいという特徴があります。
たくさん仕入れて仕込み価格を安くする。安く売る代わりにたくさん販売して利益総額を増やす。このアプローチは大企業に有利であり、「ストア」のある業態は競争の激しい市場いわゆるレッドオーシャンになりやすい。
さて、ここからが本題。
不動産エージェントは「ストア」と「ショップ」、どちらを目指すべきか。
もちろん答えは「ショップ」です。
不動産は二つとして同じ商品がない。空き家活用やアパート経営はもちろん、一戸建てやマンション一室を売るためにも他の物件とは違うアピールポイント言い換えれば「付加価値」を見出すことが必要です。
一つ一つの物件に丁寧に取り組む姿勢が成果に結びつく。ショップ型ビジネスとの親和性が高い。
「新しい生活様式」が求められ、今後さらに見えない未来が待っています。
先例のない場面が増えます。
不動産業界では、ますますショップ型ビジネスが求められることになります。