最新ニュース

〔コラム〕「サブスク型モデル」は賃貸仲介市場にどのような影響を与えるか?

「サブスク型住居サービス」をご存知でしょうか。
ここ一年ほどでサービスが増えてきましたので聞いたことのある方も多いと思いますが、
サービスを利用したことのある方はまだ少数派と思います。

念のため「サブスク」から説明をしてまいります。

「サブスク」とはサブスクリプションの略で会員制の定額サービスのこと。
それ自体は特段新しいものではなく昔からあります。ガラケー全盛の頃に流行した「着メロ着うた取り放題等のサービスもサブスクですし、有料衛星放送のWOWOWもサブスク。
考え方によってはNHKだってサブスクモデルと言えます。

あらためてサブスクと騒がれ出したのは音楽ストリーミングサービスのSpotifyや雑誌読み放題の楽天マガジンなどが認知され始めた頃からのように思います。
今年に入ってからはトヨタが「愛車サブスクリプションサービス」を始めたことも話題となりました。

そのようなサブスクモデルがここに来て住宅市場にも影響を与え始めています。

大きく話題となったのは月額4万円で住み放題で利用できる「ADDress(アドレス)」。
定額料金で住み放題というのもインパクトがありましたが、全国の空き家を利用するということで社会課題の解決にもなり得るビジネスとして注目されました。
他にも国内にとどまらず世界各国でサービスが享受できるHafH(ハフ)、法人向けプランを持つ「Hostel Life」等、それぞれに特徴があります。
今後も更に増えていくでしょう。

建物への宿泊が定額で可能となる「サブスク型住居サービス」、先程のWOWOWの例同様、仕組みとしては昔からリゾート施設の提供の形としてよくある形です。
今までと違うところといえば宿泊日数の多さ(既存のサービスは年間●泊等が主流)と金額の安さ。仕組みの根本はそれほど注目に値しません。

注目すべきは「サブスク」という手段ではなく、その目的がリゾート・余暇から日常生活に変化したことでしょう。

さて、この「サブスク型住居サービス」今後の賃貸仲介業界にどのような影響を及ぼすのでしょうか?
続きは後編でお話しさせていただきます。

(参考リンク)
OYO LIFE
https://www.oyolife.co.jp/
ADDress
https://address.love/
ホステルライフ
https://hostellife.jp/
クロスハウス
https://x-house.co.jp/
HafH(ハフ)
https://hafh.com/ja/

ーーーーーーーーーーーーーーーー

マーケットシェアはまだそう大きくはありませんが今後増えていくに違いないサブスク型住居サービス。

不動産仲介業界はこれによってどのように変わるのでしょうか?

「今後は多くの人がサブスク型住居を選択。賃貸物件の多くはサブスク型住居運営事業者に取り込まれてしまい、不動産賃貸仲介業は先細っていく」。そんなシナリオは考えにくい。。。

貸主借主が直接契約するようなCtoCビジネスが台頭し、不動産仲介業者が活躍できる市場が幾ばくか縮小するようなことはありえますが、サブスク型住居サービスが既存の賃貸不動産マーケットに大きくとって変わられることはないでしょう。

例えば事務所に行かずとも働けるテレワーク。

これが進んだとしてもそれは通勤に縛られることがなくなるだけの話で、すぐに他拠点居住には結びつきません。

「通勤圏」以外に居住できる選択肢が増えても複数拠点に住む必要はありません。

また、通勤以外にも「エリアに縛られる要因」は多くあります。

お子さんがいらっしゃれば学校への通学、商売をされていると店舗の運営。

むしろ多拠点居住を望まない人方が多数派と言えます。

しかし、サブスク型住居は今までになかった日常生活を対象としたサービス。

一般的な賃貸物件と比較して、月額賃料の多寡よりも初期コストが軽減されるインパクトが

大きい。

また「家財道具不要」等のオプションも豊富。一定の大きさのマーケットに育つ可能性は高くなります。

例えば親の面倒を見るために週末実家に戻る人。親に気を遣わせず、家族を連れていくために実家近くに住居があると都合が良い。また、引越し検討者のお試し居住。会社の休みに見学に行くだけではなく、実際に寝泊まり通勤をしてみて複数エリアを比べるために複数エリアに住んでみる、というニーズもあるでしょう。

リゾート・観光目的ではなく「暮らす」ということに注目すればサブスク型住居のマーケットはとても面白い存在となります。

そのようなことがイメージできればその延長線上に、知人同士が物件を出し合って複数物件における「サブスク型住居サービス」を提供する、友人と一緒に1物件を借りてシェアする、等の色々なバリエーションが思い浮かびます。

このような個別性の高い提案が可能なのは会社組織に属しておらず、顧客に寄り添った仕事ができるエージェントの得意にする分野であるように考えます。

 

*本コラムは、RE/MAX JAPAN のメルマガで配信した内容を基に掲載しております。
本文中に出てくるデータは配信当時に当社独自の調査に基づいたものです。
 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
RE/MAXでは、アメリカ発祥のビジネスモデル「エージェントモデル」を展開しています。
加盟店・エージェントにご興味のある方、お問合せお待ち申し上げております。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━